攻殻機動隊シリーズの漫画原作の2冊目、『攻殻機動隊2巻 MANMACHINE INTERFACE』。前回から間が空いたから…というわけではないけど、なかなか理解が追い付かないのが今回の「2巻」。激ムズ。
『攻殻機動隊 1巻 THE GHOST IN THE SHELL』で「ネットは広大だわ…」で草薙素子がどこかに行ったのですが、今回の主人公は荒巻素子という人物。物語の進行で言うと、「THE GHOST IN THE SHELL」から4年半経っていて(2030年9月→2035年3月)、前作が1年半くらいかけての話だったのに対して、「MANMACHINE INTERFACE」はわずか1日のうちの話です。
荒巻素子という存在は何かというと、表向きはポセイドン・インダストリアルという会社の部長というポジション。後半に入ると草薙素子の11番目の同位体(草薙素子と同じの要素を持つ存在)であることが分かります。
つまり、僕らが知っている草薙素子のようでそうじゃないというか、そうでもないというか…
別の意思を持って行動しているようで、荒巻素子も草薙素子という存在は知っているような。でも同じ同位体であったポセイドン・インダストリアルの社長室顧問で専属の霊能師のアンタレスという草薙素子の意思を持った人物についてはあまり把握してなかった感じもする。
荒巻素子という主人公も、義体(サイボーグ)を複数使いまくっていて若干混乱。電脳での戦いがあり、どれが本体なのか…途中疑い深くなり、よくわからなくなる。
…という感じで、全然追いついていきません。何度か読んだら分かるのか…笑
2巻の最後も続きがある感じで終わりますが、調べてみたら1.5巻というのもあるみたいですね。こっちは攻殻機動隊が活躍するらしいのでチェックしたいです!
攻殻機動隊 2巻の内容と感想
01 PROLOGUE 2035.03.06.AM05:05
既知限界サイボーグの素子にとってアクティブなドライブは全て自分の身体であり、アクティブなソースは全て自分の記憶である
『攻殻機動隊2巻 MANMACHINE INTERFACE』
「THE GHOST IN THE SHELL」から、すぐの話ではなく4年半後から話が始まります。
2巻は全編を通して攻殻機動隊の活躍が見られせん。前作からはバトーと荒巻のみが登場するのですが、公安で物語に絡んでくるのは霊能局の「魂合環(たまい・たまき)」という女性。
魂合環は、幽体のようにどこへでも行ける能力を持っているのか、たぬきの姿で荒巻素子の周辺に現れます。そしてどうやら荒巻素子にしか見えていない模様。
公安は「複雑成るもの」の出現を監視しようとしているようで、この親とされているのがラハムポル博士。人工生命学の権威で「珪素生命体の設計図」を作成したようですが、海賊に襲われて死亡したらしい。
ちなみにドクターという人物と接触するのですが、このあとの物語にはほとんど絡んできていません。二人の関係性は、荒巻素子が兵器開発などをドクターに依頼し、その報酬としてドクターから危ない依頼事をされている、ギブアンドテイクな関係性のようです。
02 UNDER WATER 2035.03.06.AM05:45
なんだこりゃ?宇宙人の哲学書か??
『攻殻機動隊2巻 MANMACHINE INTERFACE』
荒巻素子が操る潜水艦が航海中に海賊船を発見します。そして、なぜこの海賊船に潜入するのか不明なところはあるのですが、海賊を調べようとします(たぶん、ポセイドンインダストリアルでの仕事の延長線上で怪しい海賊を調べようって感じなのかな)。
荒巻素子は通信担当にハックして航海日誌を入手。そのなかに「ラハムポル博士名義の小さいファイル」を入手します。
エピソード1で、ラハムポル博士が海賊に襲われて死亡したという話が出てきましたが、どうやらこの海賊に襲われたらしい。偶然にも荒巻素子がラハムポル博士の設計図を手にすることになりました。
1回目読んだときは、なんだこのエピソードと思ったんですが、ちゃんとストーリーに必要な回だったんですね笑
03 CIRCUIT WEAPON 2035.03.06.AM08:12
人類解放戦線というテロリスト(?)が、荒巻素子が働くポセイドン・インダストリアルの東モナビア共和国にあるクローン臓器託育施設を襲撃するという事件が発生したところから始まります。プロローグで荒巻素子と秘書長のグレスとの会話から、対策プログラムというのが有効に作用したからか、スタッフには死傷者が出なかった模様。
この臓器託育というのは、人間の内臓を持つクローン豚を育成し、人間に移植するための臓器を生産しているというもの。物語の中では、これが倫理や宗教上の理由から忌避されている勢力があり、人類解放戦線が襲ったという流れです。
現実世界では、実は再生医療の分野で豚の臓器をドナー不足解消にする方法として研究が進んでいます。22年には移植手術が実際に行われています(ブタの心臓を人体に移植 米で世界初の成功 日本経済新聞)。
この回で活躍するのは「デコット」というサイボーグ。平時は意識がないらしく保存されていて、使用者が外部からアクセスして動作します。荒巻素子は、複数のデコットを持っているようです。
今回は襲撃の犯人を特定するために追跡。同僚のクローン臓器培養施設の責任者であるレブリスの記憶に侵入しているっぽい敵を追いながら自身もレブリスに侵入するものの、逃げられてしまいます。
04 FLYBY ORBIT 2035.03.06.PM01:12
社長襲撃
このエピソードだけカラーよりもモノクロが多いので好きですねー。カラーはちょっと違和感があり…笑
テロリストの主犯は、レブリスの記憶からポセイドン・インダストリアルの社長(たぶん名前は出てきてない)と、東モナビア共和国の商務次官が緊急会合をするという情報を引き出していました。
そこで、荒巻素子は緊急会合の場に予定外行動で乗り込みます。リーという保安部長が出迎えますが、このあとリーは荒巻素子を怪しいと疑っていきます。
そうしているうちに、社長が会合の前に襲撃されます(社長はデコットだったので本体は無事な模様)。襲撃した少女サイボーグから敵の痕跡を探っていき、荒巻素子はサイボーグ婦警を乗っ取って特定した場所に向かいます。
そこで敵ロボットに襲われたものの迎撃し、ロボットのハードを入手。このハードから敵の場所を探れるかどうかを思案します。ここから先はクロマというデコットを使って、探索していきます。
ちなみに、素子が乗っ取ったサイボーグ婦警とクロマの顔立ちが似ているのと、前後の細かい話が繋がらずやや混乱してしまいます…
・婦警が銃を持つと機能不全になる(同僚との会話から)
・荒巻素子が乗っ取ったとき、銃を持った際に違和感。調べると射撃制御システムが5つもあるせいで機能衝突が起きていた
・南海速配社からクロマが荷物を受け取る
・クロマが受け取ったもので「こいつでどの辺まで手繰れるか」という
・最後のコマでサイボーグ婦警が「義体制御が整理されて具合がいい」と言っている
・婦警をメンテした人が「南海速配社で何か発送したのも覚えてない?」と言っている
勘違いしたのが、「手繰れるか」というの「手、操れるか」かと思い、婦警の手を操作できるようになるかということかと思ったのですが、「手操れるか(たぐれるか)」という読み方で、敵を辿るという意味だったんですね、と。
ゲーム
入手したハードから敵を探れるかどうかを、アルグリンという電脳探偵に依頼するという話。
アルグリン(荒巻素子からはビーカー漬けのメガネブタと呼ばれてる)が予備調査する待ち時間に、アルグリンの組織のメンバーから電脳ゲームを仕掛けられます。まあ、素子が勝つわけですが…
あっさりゲームの世界から戻った素子が予備調査を待っていると、手繰られた敵が仕掛けたのか、アルグリンの事務所が爆破されます。アルグリンと思われた人物はデコットだったため被害はなく、また別のデコットで素子にハードを返却。
そして敵の追手…というのが正しいか分からないけど、敵も追跡している荒巻素子を特定しようとしている模様。刺客を送り込むなど仕掛けてきます。ということでクロマには追手がついてしまったので、手放すことに。
クロマの口から蜂型のセボット(小さいセンチメートル級のロボットのこと)を出して荒巻素子のもとに飛んでいくのですが、これに発信機が仕込まれていることが判明(アルグリンのゲームをやっている間に仕掛けられたものでしょうか?そもそもこの蜂型セボットには何の意味が…?)
ここら辺は追跡合戦ですね。荒巻素子は蜂型セボットをゴミ回収車に投棄し攪乱しています。
05 MOLD OF LIFE 2035.03.06.PM01:54
このエピソードは電脳バトル…という感じで何がどうなっていてお互いに何を仕掛けているのか分からなくなってきています笑
荒巻素子は、ポセイドン・インダストリアルが持つデカトンケイルというスーパーコンピュータを利用して手繰っていきます。所属する会社ではあるものの、デカトンケイルは素直に使えなくて、なぜか保安部のリー部長が動いて押さえています。荒巻素子はリーにデカトンケイル使用を頼むものの、疑っているリーは許可せず、素子はリーをかく乱しながらデカトンケイルに接触し使用します。
デカトンケイルによって一気に敵の所有する航空機を特定し、そのパイロット「フラクト」に侵入します。そこからスターバトマーテルという電脳空間で展開するエンタテインメント集団のアーチスト「ミレニアム」を発見し制圧。
…というこのあたりまでは理解できるのですが、ここから先の電王戦はもっと読み込まないと分からないですね…
06 EPILOGUE 2035.03.06.AM05:35
エピローグは、プロローグの30分後。魂合環が霊視するようなのですが、ここで調査している内容というのは未来の話なんでしょうか?
五十鈴という霊能局の老人が「今日これから起こることは始まりに過ぎず通過点の一つで又終焉でもある 現時(リアルタイム)なので君にも同席してもらった」と荒巻(攻殻機動隊のほうの)に告げます。
今日これから起こることというのは「MANMACHINE INTERFACE」の一連の物語だとは思うのですが…
まとめ
いやー、なかなか読み込むのが難しいですねー2巻は。でも2~3回読み返してみると気が付くところもあるので、ちゃんとひとつひとつ意味を探っていけば発見もありそうです。しかし、草薙素子は何をしようとしてるのか謎。今回はさすがに解説なんてできるわけもなく、あらすじと感想にとどまりました。解説が欲しいな~
本の目次
- 01 PROLOGUE 2035.03.06.AM05:05
- 02 UNDER WATER 2035.03.06.AM05:45
- 03 CIRCUIT WEAPON 2035.03.06.AM08:12
- 04 FLYBY ORBIT 2035.03.06.PM01:12
- 05 MOLD OF LIFE 2035.03.06.PM01:54
- 06 EPILOGUE 2035.03.06.AM05:35