『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の書評とサクッと要約|双方が尊敬をもって導きあう非暴力コミュニケーション

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 Amazonほしい物リスト2020
NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法(マーシャル・B・ローゼンバーグ著)

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』は、以前から話題に出ることがあり、読まなきゃな…と思いながら全然手が出なかった一冊でしたが、誕生日にAmazonほしい物リストにして、贈って頂けて感謝。

この本はおススメしたい…というか読書会がはかどるやつですね。ダイアローグをしながら自分の解釈を深めていきたいです。この本にまとめられているNVCというコミュニケーション法は、言うは易しで、実践できたら仙人なのでは…という印象。

ざっくり言うと、人が人を非難したりせず、思いやりをもって互いに導きあうコミュニケーションの本。

相手を非難したりしてしまうのは、自分の中にあるストーリーによって正否を判断しているから。そのストーリーを捨てるためには、観察し、感情を明確にし、自分のニーズに気づき、率直に伝えること。そして相手の感情・相手のニーズを共感をもって受けとめること。このあたりは『他者と動く』で説明されていたナラティヴ・アプローチと似ていますね。

この手のものは、そうだよねと思うのですが、自分を振り返ると全然できていないのです。ついつい、何かと比較をしてしまって、「これをできないのは、あなたに能力がないからだ」というのを直接的な言い方はしないまでも、暗に仄めかしてしまう言葉を発してしまっている。

「自分の発する言葉」と「相手から発せられる言葉」をNVCのアプローチ方法、つまり観察し、感情を明らかにし、言葉の裏にある本当に必要としていることを抽出することに集中する時間を作って、ものにしていけるようにしたい。こういう本を読むと一旦、客観的に自分を見れるから読書はいいですね。

本書の一番の学びは、「自分の感情に責任を持つ」というところです。
抱いた感情の責任を人に転嫁せず、なぜその感情になったのか自分が本当に必要としていたことを表現すること。やりたいという意志であれば説得力や安心感は増すと思うし、困っていることもオープンにしたほうが助けてくれる人も現れるのではないでしょうか。

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本の概要と要約

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の問題意識
『NVC』の問題提起

著者の課題
人は生まれながら思いやりを持っているが、生まれてから育んできた自分のストーリーによって、対立と攻撃を生じさせてしまう。

解決方法
言葉が重要な役割を負う。自分のストーリーを手放し、非暴力コミュニケーションをとる。

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の概要
NVCの概要
『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の要約
『NVC』の要約

内容
・NVCとは何か?
 -対立する双方が相手の一方的な決めつけや非難、暴力を排除したうえで、言葉をやりとりし、和解するためのアプローチ
・NVCの目的は?
 -お互いにニーズが大切にされる関係の構築
・「4つの要素」に集中する
 ①観察(評価ではない)
  ×彼は技術が劣っている
  ●彼はミスを繰り返す
 ②感情(解釈ではない)
  ×自分は才能がない
  ●自分にがっかりしている
 ③必要とすること(自分の感情への責任)
  ×あなたが来なかったからでがっかり
  ●あなたに会えなくてがっかり
 ④要求(強制ではない)
  ×長く仕事して残業しないで
  ●早く帰ってきて家族と過ごしてほしい
・2つのパート
 ①率直に表現する
  ×「~すべき」だと選択肢がなく責任が曖昧
  ●「~することを選ぶ」だと自分の意志
 ②共感をもって受けとめる
  -心を空にして全身で聞く
  -相手に火があると暗にほのめかさない
  -自分の怒りを相手のせいにしない
  -自分の解釈を伝え返す
・NVCを妨げるもの
 -道徳
  -正しいか間違いかになる
 -比較
  -評価になってしまう
 -責任の回避
  -「~しなければ」は思考停止
・NVCのコツ
 -敵と言うイメージをもたない
 -お互いが必要としていることを同じくらい大切にする
 -与える喜びから行動を起こす

NVCとは?

NVCとは、Non-Violent-Communicationの略で、非暴力コミュニケーションと訳します。そのまんまですね笑

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の「序文」と「はじめに」には、暴力的なコミュニケーションの問題提起を投げかけています。

例えば、街頭での抗議活動で映し出される一人ひとりの険しい顔を例に挙げたり、肌の色による差別などを客観的に見たときに、「人には思いやりの心があるのに、なぜこのように思いやりを忘れるのだろう」というものです。この背景には、相手と自分のなかに、それぞれが人生をかけて紡いできたストーリーがあり、それぞれ「必要としていること」が価値観として備わってきます。

NVCでは、双方でそれを見極め、相手を受け入れたうえで、自分の必要としていることを伝えていくというコミュニケーションです。

要素として、「観察」「感情」「必要としていること」「要求」というプロセスを経て、「率直に表現する」「共感をもって受けとめる」という2つのパートが存在します。これによって実現することは何か、本書には以下のように書かれています。

NVCが基盤としているのは、過酷な状況に置かれてもなお人間らしくあり続けるための言葉とコミュニケーションのスキルである

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p20

つまり、双方が紡いできたストーリーと形成された価値観を否定せず、自分と相手を尊重するコミュニケーションであり、「非暴力」と表現している所以になります。

NVCについては以下のサイトに詳しいです。
NVCジャパン公式サイト

著者:マーシャル・B・ローゼンバーグ

マーシャル・バートラム・ローゼンバーグは、臨床心理学者で、NVC(Non-Violent-Communication)の提唱者。世界中を飛びまわり、数百におよぶ地域コミュニティー、国際会議、戦争で疲弊した地域などでNVCを伝える活動を精力的に続けてきた方です。

連邦政府から受託した学校教育プロジェクトで、NVCを用いた「調停とコミュニケーションのトレーニング」をおこなうなどの実践を経て、1984年CNVC設立。

2015年に亡くなられていて、本書『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の新版が出版された際には、ウェルビーイングに関する世界的な第一人者であるチョプラ博士が序文を寄せています。

本の解説と感想

NVCとは

NVCについては前述でまかなえているかと思いますが、本書の内容に即してまとめたいと思います。

思いやりのない「暴力的」なコミュニケーションになってしまう背景には、コミュニケーションをとる双方にそれぞれの世界観があり、その世界観によって誰かに責任を課そうとして引き起こされます。これは、アダム・カヘンによる『敵とのコラボレーション』の敵化症候群(問題の原因は相手にあるという思考)が参考になります。

序文から引用すると、以下のようにあります。

ひとりひとりの現実は、物心ついた頃から紡ぎはじめる自分自身のストーリーを抜きにして考えられず、その軸となるのが言葉だ

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p7

この問題に対して、NVCのアプローチは何かというと、

対立する双方が相手の一方的な決めつけや非難、暴力を排除して言葉をやりとりし、和解するためのアプローチである

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p7

とあります。すなわち、双方が妥協して紛争解決に至るというありきたりの方法ではなく、紛争の当事者が互いに敬意を払って解決をはかることを目指すというのがNVCです。

NVCの4つの要素

観察し、感情に気づき、何を必要としているのかを明確にすることに集中すれば、深い共感へと繋がることができる

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p21

NVCは4つの要素と2つのパートから成ります。順を追って解説していきます。

①観察(評価を交えずに観察する)

まず、観察と評価を区別することが必要になります。観察と評価をいっしょにしてしまうと、相手は批判されたと受けとめる可能性があるからです。

ある小学校の問題を例にします。
校長と教師たちの間でコミュニケーションがしばしば暗礁に乗り上げていました。

「校長は独善的なんですよ」これは観察ではなく評価。
「校長は自分だけが立派なことを言えると思っている」これもまた評価。

評価を除いた観察とは、
「校長はひとりで話しすぎ」です。

他にも例をいくつか挙げておきます。
(評価)あなたは私が望むことをめったにしない
(観察)私はこれまで3回あなたに勧めたがあなたはそれをやりたがらなかった

(評価)彼はしばしば立ち寄る
(観察)彼は一週間に少なくとも3回は立ち寄る

(評価)スミスはサッカー選手としての技術が劣る
(観察)スミスは20試合に出場して一度もゴールをしていない

②感情(感情を見極め表現する)

「~ことだと感じる」という言葉の使い方は、自分の感情を明らかにしているのではなく、意見を述べていることになる

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p77

一読しても、なかなか理解が難しいですよね。

以下の文章を読んでみましょう。
「夜、そんなに大きな音で音楽を鳴らすのは、正しくないと感じます」
これは感情ではなく、意見になりますね。

意見を表明するだけでは、双方向に問題解決に向かわないことが多いです。

ある女性が夫を以下のように評価しました。
「いつも座ったまま口もきかない。壁と一緒に暮らしているようなものだ」

そして女性が夫に対して、
「壁と結婚しているみたいに感じる」という意見を伝えたとして、問題は解決しそうでしょうか。

意見に対して女性の実際の感情としては「寂しい。夫ともっと気持ちを通い合わせたい」だったとして、それを率直に伝えたらどうでしょうか。解決に進みそうな気がしませんか?

(解釈)「私にはギター奏者の才能がないと感じる」
(感情)「ギター奏者としての自分にがっかりしている」

(解釈)「同僚から重要視されていないと感じる」
(感情)「わたしは仕事をしていて悲しい/がっかりした」

(解釈)「誤解されていると感じる」
(感情)「話が通じずにいらいらしている」

感情を表現するためには、語彙をとにかく増やすことが解決方法となります。

感情を表現する語彙を増やすことで、自分の気持ちを特定して的確に示せるようになり、もっと容易に人と気持ちを通い合わせることができる。自分の感情を表現して弱さを打ち明ければ、対立の解決につながる可能性がある。NVCは、考えや評価、解釈を表現する言葉や言い回しと実際の感情の表現とを区別する。

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p91

「好ましく感じる」では抽象度が高く、「幸せ」「わくわくする」「ほっとした」という意味でも捉えられ、特定の気持ちを示す言葉を使うようにしましょう。第4章には感情を表す言葉のリストが掲載されているのでチェックしてみてください。

③必要とすること(自分の感情に責任を持つ)

自分の感情の奥では、何を必要としているかを認識することだ。人の言動はわたしたちの感情を「刺激」するかもしれないが、原因となることは決してない

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p116

NVC3つ目の要素「必要とすること(ニーズ)」は、自分の感情の一番根底に何があるのかを見極めることです。

他人から否定的なメッセージを受け止めたとき、人は次の4つの選択肢があり、これを例にして考えていきます。

①自分自身を責める
②相手を責める
③自分の感情と、自分が必要としていることを感じ取る
④相手の感情と、相手が必要としていることを感じ取る

「あなたみたいな自己中心的な人は初めてだ!」と言われたとき、それぞれどうなるでしょうか。本書の例のなかに以下のようにあります。

①「気配りが足りなかった」
②「あなたにそんなことをいう権利はない。私はあなたが必要としていることを考えている。あなたこそ自己中心的だ!」
③「あなたの好みを尊重するためにしている努力を少しでも認めてもらいたいので傷つきます」
④「あなたは、自分の好みにもっと配慮するよう求めていたから傷ついたのですか?」

④は相手の気持ちを逆なでるような気がしないでもないですが…
③に付加する形で添えるのがいいのかもしれませんね。

相手の言葉に、相手のニーズが隠されていることはままあります。

「あなたにはわたしの事は決して理解できない」と誰かがいえば、それは理解されたいというニーズが満たされていないという訴えなのだ

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p102

そのうえで、

自分が必要としていることを表現すれば、それが満たされるチャンスに恵まれる可能性が高くなる

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p103

本書のなかに次のような言葉の例がありました。

②の他責の状態
「契約を破棄したときに、ほんとうに腹立たしく感じた。そういう行為は非常に無責任だと思うからだ。」
③の自分の必要としていることを伝える
「彼らが契約を破棄したとき、わたしはほんとうに腹立たしく感じた。それは、この契約が成立したら昨年解雇した社員たちを再雇用する機会が生まれると期待したからだ」

後者のメッセージを相手に伝えたほうが、自分のニーズが伝わり、可能性が広がることは明らかですね。

次に、人との関係において感情の奴隷ではなく感情から解放された自由へ成長していく3つの段階についてまとめます。感情に対する責任感を育てる過程です。

第一段階 感情面での奴隷状態
自分は人の感情に責任があると考える過程です。
自分以外の人の感情を優先し、常に自分が努力しなければならないという思い込み。

第2段階 反抗期
人の感情に責任を負うのはごめんだと考える過程です。
人の感情に責任を負うことの代償が大きいことに気づき怒りがこみ上げます。

第3段階 感情面の解放
自分の考えと行動に責任を負う過程です。
人が必要としていることに思いやりを持って反応し、決して恐れや罪悪感、恥の意識から反応しなくなります。

④要求(人生を豊かにするための要求)

自分の必要としていることが満たされていないとき、観察し、感じ、自分が必要としていることを自覚し、さらに具体的な要求をする。自分が必要としていることを満たすだろうと思われる行動をとってもらうよう、人にお願いする

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p127

何を要求していないかではなく、なるべく肯定的な言葉で何を要求しているかを表明することです。

例えば、女性が夫に対して
「そんなに長時間、仕事をしないでくれ」ではなく、「週に一度は家族と一緒にゆっくり夜を過ごしてほしい」と話すことです。

話し手が、自分の感情と自分の必要としていることを伝えずに要求すると、相手は強要と受け止めることもあります。話し手が相手に罪悪感を植え付ければ、話し手の要求は強要だったことになります。

NVCの4つの要素で翻訳される「要求」は日本語にすると、ちょっと強めな感じがしますので、「お願い」くらいのニュアンスが正しいように思います。以下のNVCの目的からもそのほうが合致しそうです。

NVCの目的は、自分の思いどおりにするために人を変えたり人のふるまいを変えたりすることではない。誠実さと共感を基盤とした絆を相手とのあいだに確立し、全員が満たされた状態をつくりだすこと

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p156

共感をもって受けとめる

これまでのNVCの4つ要素は、NVCの2つのパートのうち「率直に伝える」を中心にまとめてきました。次に「共感をもって受けとめる」についてまとめたいと思います。

共感とは、心を空にして全身で聞くこと

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p166

とあります。本書に書かれていることは、とにかく「ただそこにいること」です。

自分の考えと結び付けて考えながら他人の言葉に耳を傾けるということは、相手とともにいる状態ではなく、端から見ている状態です。共感とは、相手や相手の体験とともにいるということ。

「共感をもって受けとめる」ということは、あくまでも相手の景色からNVCの4つの要素、「観察」「感情」「必要としていること」「要求していること」を見極めることです。

そうしたうえで、相手に対して自分の解釈をもって言い換えて伝え返します。このプロセスを経ることで、もし誤っていたとしたらそれを正す機会が与えられるということです。

話がすこしずれますが、共感と言えば、『コンパッション』のエッジステートでも語られています。共感疲労に陥らないようにしましょう。

NVCに不要なもの

「〜すべき」という言葉は、他に選択肢がないことを意味している

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』p227

NVCには、いくつか気を付けることがあります。自分の言動・行動の背景に次のものがあるとしたら、大きな犠牲を払うことになるため、注意しましょう。

①お金
お金は外部からの報酬としてもっとも代表的なもの。報酬を求めて行動を選択すると大きな犠牲を払うことになる

②認められたい
人か認められることも、外部からの報酬のひとつ。愛を得るために必死に努力して自分を否定してまで人に好かれるために行動したりするのは、悲劇以外の何物でもない。

③罰を受けないため
例えば罰を受けたくないから所得税を払うと考えるか、人々の福祉に役立っていると信じで納税するかでは、大きく異なる。

④恥を恐れる
恥の意識からのがれたいという理由だけで行動するとその行動を忌み嫌うようになる。

⑤罪悪感をもちたくない
私たちは罪悪感を恐れる。罪悪感を避けるために何かをすると惨めになるばかり。ヒトの幸福に貢献したいという意識で何かをする場合はひたすら楽しい。

⑥義務感
他に選択肢があることを否定する言葉「~すべき」「~しなければならない」は、その背景に罪悪感や義務感がある。自分が必要としていることから切り離されながらとる行動のなかで最も危険。ロボットのような精神状態に支配される。

また、相手に非があると暗に仄めかすこともやめることが求められる。

NVCを妨げるもの

私たちがもともと持っている、人を思いやる気持ちを発揮できなくなることがあるのはなぜか。ローゼンバーグ博士は、研究の過程で、ある種の言葉とコミュニケーションが人に対して暴力的に働いてしまう要因を発見したそうです。

①道徳を持ち出す
心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーションのひとつが、道徳を振りかざして人を裁くというもの。自分の価値観にそぐわない振る舞いをする相手のほうが悪いとか、間違っているとほのめかすやり方です。

自分の道徳を持ち出す言葉と言うのは、例えば以下のようなものです。
・あまりにも自分勝手なところが、あなたの問題だ
・彼女は怠惰だ
・それは不適切だ
これらのような、非難、侮蔑、烙印を押す、批判、比較、分析は形を変えた「裁き」であり、

これたに相手が応じてくれたとしても、「心の底から与えたい」という気持ちからではなく、罪悪感や恐怖からのものであれば、それは暴力の火種を抱えているといってもいいでしょう。

道徳で物事を判断するということは、「正しいか間違っているかどうかという発想」しかなく、人を分類し裁くことは、暴力の助長につながります

②比較をする
比較は形を変えた評価です。
例えば、理想の体型とあれる肉体を備えた人の写真と、自分の写真を重ねると、どんどん惨めな気持ちになっていくでしょう。比較をすればするほど自分と自分以外の人を思いやる気持ちは失われていきます。

③責任を回避する
自分の行動や感情に対して、責任を持つこと、あるいは責任を回避するとはどういうことでしょうか。
例えば、「しなければならない」という言葉は、その行動の責任が誰にあるのかを曖昧にします。自分の意志ではなく、ルールや支配によって強制されているので、自分の責任ではないことを表明しています。

責任を回避する例として、以下のようなものです。
・「タバコを吸い始めたのは、友人が皆吸っていたからだ」
・「これは校則違反だから、君を停学処分にしなくてはならない」
・「子供が道路に飛び出したから叩いた」

では、責任を持つとはどういうことでしょうか。
ある教師が「わたしは生徒に成績をつけたくない。地区の方針だ」と言ったとします。これは責任を回避しています。
責任を持つということは、「私が生徒の評価を付けることを選択するのは、自分の仕事を失いたくないから」と言うことです。

NVCでは、「~しなければならない」として、あたかもほかに選択肢がないかのような言い方をするのはやめて、選択肢があることを認める言葉づかいをすることが大切になります。

本の目次

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の表紙
  • 序文
  • 謝辞
  • 第1章 心の底から与えるー非暴力コミュニケーションの核心
    • はじめに
    • 注意を向ける方法
    • NVCのプロセス
    • NVCを日常に取り入れる
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 人殺し!暗殺者!子供殺し!
  • 第2章 思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション
    • 道徳を持ち出す
    • 比較をする
    • 責任を回避する
    • 心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーションは他にもある
    • まとめ
  • 第3章 評価をまじえずに観察する
    • 人間の知性の最高のかたち
    • 観察と評価を区別する
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション あなたほど傲慢な話し手お迎えたことがない
    • エクササイズ①観察か、それとも評価か
  • 第4章 感情を見極め、表現する
    • 感情を表現しないことの重い代償
    • 感情 VS 感情ではないもの
    • 感情を表現する語彙を増やす
    • まとめ
    • エクササイズ②感情を表現する
  • 第5章 自分の感情に責任を持つ
    • 否定的なメッセージの聞き方ーー4つの選択肢
    • 感情のおおもとにある、自分が必要としていること
    • 必要としていることを表現する苦痛、表現しない苦痛
    • 感情の奴隷ではなく、感情から解放された自由へ
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 10代の未婚出産は、もっと社会的制裁を受けるべきだわ!
    • エクササイズ③何を必要としているのかを自覚する
  • 第6章 人生を豊かにするための要求
    • 肯定的な行動を促す言葉を使う
    • 意識的に要求する
    • 伝え返しを要求する
    • 率直な反応を要求する
    • 集団に対して要求する
    • 要求 vs 強要
    • 要求を出す時には自分の目的を明らかにする
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 親友の喫煙をめぐり、恐れを共有する
    • エクササイズ④要求を表現する
  • 第7章 共感をもって受け取る
    • 何もしなくていい、ただそこにいるということ
    • 感情と必要としていることを聞き取る
    • 言い換える
    • 共感を持続させる
    • つらくて共感できないとき
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 死期が迫った夫と気持ちを通い合わせる妻
    • エクササイズ⑤共感をもって受け取ることと、共感しないで受け取ることのちがい
  • 第8章 共感の力
    • 共感には治癒力がある
    • 共感する能力と弱さを見せる能力
    • 共感することで危険を取り除く
    • 「ノー!」を受けとめて共感する
    • 停滞した会話を共感で蘇らせる
    • 沈黙に共感する
    • まとめ
  • 第9章 思いやりをもって自分自身とつながる
    • 自分はかけがえのない存在であることを思い出す
    • 完璧ではなかった自分を評価する
    • 自己批判と内なる強要の意味を理解する
    • NVCで過去を振り返り、悲しむ
    • 自分を許す
    • 水玉模様のスーツから得た教訓
    • 「楽しくないことはしてはいけない!」
    • 「〜しなければならない」「〜することを選ぶ」に翻訳する
    • 自分の行動の原動力への自覚を深める
    • まとめ
  • 第10章 怒りをじゅうぶんに表現する
    • 原因と刺激を区別する
    • 怒りの核には、人生を豊かにするための手がかりが必ずある
    • 刺激 vs 原因ーー実例で見る
    • 怒りを表現する4つのステップ
    • 最初に共感を提供する
    • じっくり時間をかける
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 親とティーンエイジャーの会話ーー生死に関わる問題
  • 第11章 紛争を解決する
    • 人と人とのつながり
    • 従来の調停方法と何がちがうか
    • NVCによる紛争解決のステップ
    • ニーズと手段、分析について
    • 共感の力で「聞き取ることを妨げる痛み」をやわらげる
    • 肯定的な行動を促す現在形の言葉で紛争を解決する
    • 動作動詞を使う
    • 「ノー」を翻訳する
    • NVCと調停者の役割
    • 当事者双方が直接顔を合わせることに「ノー」という場合
    • 非公式の調停ーーお節介を焼く場合
    • まとめ
  • 第12章 力を防御的に使う
    • 力の行使が避けられない時とき
    • 力の行使の背後にある考え
    • 懲罰的な力の種類
    • 懲罰の代償
    • 懲罰の限界を明らかにするふたつの問いかけ
    • 学校内での力の防御的な行使
    • まとめ
  • 第13章 自分を解放し、人に助言する
    • 古いプログラミングから自由になる
    • 内的な葛藤を解決する
    • 自分の心の状態を思いやる
    • 診断よりもNVCを
    • まとめ
    • NVC・ イン・アクション 憤りと自己評価に対処する
  • 第14章NVCで感謝を表現する
    • 褒め言葉の奥にある意図
    • 感謝の3つの要素
    • 感謝の言葉を受けとめる
    • 感謝の言葉への渇望
    • 気が進まないのを克服して感謝を伝える
    • まとめ
  • エピローグ

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