『金持ち父さん貧乏父さん』、ベストセラーでしたよね。有名な本ではありますが、初めて読んでみました。
内容は、お金持ちと、中流以下の人たちとの差は何なのか、ということに対して、お金持ちになるための6つの教えがまとめられているというもの。
昨年あたりまでYoutuberのような人たちが盛んに口にしていた「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という、経済的自立と早期リタイアについて先駆けて書かれていた本と言う説明で十分伝わる人もいるかなと思います。
端的に言えば、自分が働かなくてもお金(資産)が働いて勝手に収入を生み出してくれるシステムを持っているのが本当のお金持ちですよって話です。
会社を持ったり、株、不動産。そういった本当の資産に投資するということ。
※持ち家については、資産価値の下落による損失や住宅ローンを生み出す借金という考え方をしています。
わたし、起業は向いてないけど、会社経営はしてみたいんですよねー。わがままですね笑
本の概要と要約
著者の課題
多くの人が学校で教育を受けているのに、お金がどう働くのかについて全く習わない。
解決方法
金持ち父さんから教わったファイナンシャルリテラシーを高める6つの教えを指針にしてほしい。
内容
・金持ち父さん
ー友人マイクの父
ーハイスクールを卒業していない
ー複数の会社を経営
ー「持ち家は負債だ」
ー「勉強しろ、いい会社を買える」
ー「それを買うために、どうお金を作るか」
ーお金が私のために働く
・貧乏父さん
ー著者ロバートキヨサキの実父
ー学校の先生
ー「持ち家は資産だ」
ー「勉強しろ、いい会社に入れる」
ー「それを買う金はない」
ーお金を稼ぐために働く
・6つの教え
①お金のために働かない
ーたいていの人はお金のために働く
ーお金が私のために働くようにする
②お金の流れの読み方を学ぶ
ー貧乏は働かないとお金が得られない
ー働かなくては!となる
ー中流は試算だと思い込んで負債を追う
ー結局支出し、働かなくては、となる
ー金持ちは資産に投資して収入を生み出していく
③自分のビジネスを持つ
ーお金について保守的なのは財政基盤がないから
ー自分が働かなくても収入を生むビジネスを持つ
④会社を作って節税する
ー働くほど税金を取られていく
ー会社を作れば財産の大部分を覆ってしまえる
ー経費にできたり…
⑤金持ちはお金を作り出す
ーたいていの人はお金をためてお金を増やすために働く
ー金持ちは投資する
ーファイナンシャルリテラシーを身に着けて選択肢を増やす
⑥お金のためではなく学ぶために働く
ー才能だけでは成功しない
ー「いくら稼げるか」ではなく「何を学べるか」で仕事を探す
・今すぐ行動しよう!
著者:ロバート・キヨサキ
著者であるロバート・キヨサキさんは起業家、教育者、投資家。 ハワイ州の日系アメリカ人の四世家に生まれた。ファイナンシャル教育会社リッチダッド・カンパニーの創業者であり、各種『キャッシュフロー』ゲームの開発者でもある。世界中の数千万人のお金に対する考え方に疑問を投げかけ、それを変えようとしている。
●公式
Twitter:therealkiyosaki@theRealKiyosaki
キャッシュフローゲーム
●インタビュー記事
世界経済は崩壊に向かって突き進んでいるが、「金持ち父さん」にとってはむしろチャンス到来!(ZAIオンライン 2012.5.29)
『金持ち父さん貧乏父さん』とは
著者であるロバート・キヨサキ氏が幼少期の頃、自身と友人のマイクだけが学校の友達から「貧乏である」ことを理由に、子どもたちのコミュニティから少し外れていたそうです。
ロバート・キヨサキ氏は実父から「自分で金を作る」ことを推奨され、最初のプロジェクトを実行。それはそのまま硬貨の鋳造だったのですが、これをきっかけにマイクの父から金持ちになる6つの指針を教わることになります。
ちなみに、金持ち父さんはマイクの父であり、貧乏父さんはロバート・キヨサキ氏の実父です。この頃、金持ち父さんは複数の会社を経営しているようだが、まだ金持ちではなかったようです。
オリエンタルラジオの中田敦彦さんなど、Youtubeでも取り上げられることがあり、お金の教養本としてはかなりメジャーな1冊です。
公式サイト:「金持ち父さん貧乏父さん」日本オフィシャルサイト
本の解説と感想
金持ち父さん貧乏父さん
金持ち父さん
友人マイクの父。高校を卒業しなかったが、複数の会社を経営している。この時点ではまだ金持ちではない模様。
ロバート少年は実父からお金儲けの学びを得るために、マイクの父に話を聞くのがいいだろうと伝えられます。マイク父(金持ち父さん)は、座学ではなく実践的。まずロバート少年とマイクに1時間に10セントでコンビニの仕事を手伝わせます。3週間、毎週土曜日の3時間。
ロバート少年は、金儲けの方法を学びたいのに、時給1セントという薄給の奴隷仕事を辞める決心をするのですが、ここから金持ち父さんの教えがスタートする。
貧乏父さん
ロバート・キヨサキ氏の実父。よい大学を出た末に学校の教師になった。
ロバート少年の実父は、勉強していい大学に出ていい会社に入るのが金持ちの道だという考えを持っています。一般的な考え方ではありますが、これこそ金持ちと貧乏・中流の決定的な違いだということが、『金持ち父さん貧乏父さん』の中で明らかになってきます。
6つの教え
1.金持ちはお金のために働かない
中流以下の人間はお金のために働く
『金持ち父さん貧乏父さん』p42
金持ちは自分のためにお金を働かせる
私を含む多くの人達がお金持ちになれないのは、お金を稼ぐために働いているから…であると金持ち父さんは言います。そして金持ちは、お金が自分のために働いてくれるのだとも言います。
どういうことかと言うと、中流以下の人は収入源が給料しかないため、お金持ちになろうとか、何か好きなものを買いたいという時に、自分が働いて稼ぐしかない。働いて給料もらって支出を続けるというサイクルがずっと続くというもの。給料が増えても支出が増えるだけ。
一方、金持ちは自分で働かなくても収入を得ている。
ロバート少年たちが、実践したのは廃棄になる漫画を収集し、漫画図書館を作り10セントで2時間漫画が読み放題となる事業を始めた。マイクの妹を図書館長として雇い、自分たちが働かず、勝手にお金を生み出すことに成功したのです。
このエピソードのビジネスは、実際に大人がやったらいろいろ問題な点があるのですが(本来廃棄しなければいけないものを黙って無料で仕入れる、有料の漫画を勝手に読み放題にしてる)、このシステムを構築したっていうのはまさに起業家ですね。
2.お金の流れの読み方を学ぶ
金持ちは資産を買う
『金持ち父さん貧乏父さん』p102
貧乏人の家計は支出ばかり
中流の人間は資産と思って負債を買う
お金がない貧乏は、給料をもらったらただただ支出するだけ。中流の人たちは、車とか持ち家とかを買い、それを資産だと思い込んでいますが、実はそれは負債なのだと金持ち父さんは言います。
持ち家は、B/Sのなかでは確かに固定資産に入るのですが、借金をした分を利息ありの住宅ローンで返済していきます。つまり持ち家は利息付きの借金を返しているだけで負債なのだと。
金持ちは収入を生み出す資産に投資します。もし、支出が資産からえられるキャッシュフローを超えないのであれば、どんどん金持ちになるのは容易に想像ができます。
3.自分のビジネスを持つ
中流以下の人の大半がお金について保守的である理由、つまり「余裕がないから危険は冒せない」と言って安全策をとりがちな最大の理由は、彼らの財産の基盤が整っていないことだ
『金持ち父さん貧乏父さん』p106
上の言葉はかなり耳が痛いですねー。
例えば起業はリスクです。失敗する可能性が高いので起業してみたいけど一歩を踏み出せない人はたくさんいます。私もその一人。もし、私が起業に失敗したとしても、別の収入源があったとすれば、「やってみる」というリスクをとれるかもしれません。
ちなみに起業をしたとしても、オーナーにならない限りは働き続けなければならないのですが。。もし自分がその場にいて働かなければいけないのならば、それはビジネスではなく自分の仕事でしかありません。
ちょっと視点を変えて、自分でビジネスで成功した人ではないお金持ちのなかには、親世代から不動産などの資産を持っていていて、働かなくてもお金が増えていくような人たちがいます。
つまり、自分が働かなくてもお金を生み出せる資産が築かれているので、資産が生み出した収入だけでぜいたく品を購入すれば、どんどんお金が貯まっていきます。
ちなみに、本当の資産として挙げているのは以下のようなものです。
- 株
- 債権
- 収入を生む不動産
- 手形、借用証書
- 音楽、書籍などの著作権、特許権
投資商品としての株・債券・不動産は、購入額と売却額の差異によっては損になることもありますが、持ち続けていれば配当金や家賃などの収入を得られますね。著作権とか特許権なんかは夢がありますね~
4.会社を作って節税する
金持ちと中流以下の人間を分け、金持ちをはるかに有利な地位に立たせているのは、会社という法的な組織が持つ力についての知識
『金持ち父さん貧乏父さん』p116
給与明細を見て、総支給額から税金が引かれまくっていて、働いても働いても手取りが思ったよりも増えないことを実感されている方は多いのではないでしょうか。
税金、マジでやばいですよね…
金持ち父さんは、会社を作ることで財産の多くをうまく隠すことができるのだと教えてくれます。分かりやすいところで言えば、会食であったり旅行費であったりを、会社の活動の経費として処理することもできることがあるというもの。
スマホやPCなどの機器であったり、通信費、車だって社用車だとすれば…
金持ち父さんは、金持ちになるためにはファイナンシャル・インテリジェンスが大切だとしていて、また知らないことこそがリスクと言っています。その代表例が法律。税金は法律で規定されていて、特に税の優遇措置保護が超重要。
自分のビジネスを持った会社経営者が、どんどん金持ちになるような仕組みになっているんですねー。
5.金持ちはお金を作り出す
あなたにとって最大の財産は、あなたの知識、「知っていること」だ。反対に最大のリスクは、「知らないでいること」だ
『金持ち父さん貧乏父さん』p161
中流以下の人は、働いてお金を給料として手に入れます。一方で金持ちは自分でお金を作り出すという。これは資産に投資して収入を増やすことと同じなのでは…と思ったのですが、ちょっと違いそうです。
知識と度胸と創造力でお金を作り出す、という感じでしょうか。
○○ショックというような株価の下落局面があったとき、多くの人がやりがちなのが狼狽売り。不況になったらお金を貯めるのではなく投資するのが金持ち。それができるのは、ファイナンシャルリテラシーがあり、度胸があるから。
不動産投資もしっかりとリサーチして、タイミングなどをみれば、安く買って高く売ることができる。
6.お金のためでなく学ぶために働く
『いくら稼げるか』ではなく『何を学べるか』で仕事を探しなさい
『金持ち父さん貧乏父さん』p170
金持ち父さんが言いたいのは、専門的な知識よりも、広く浅くでいいので知識や経験を得ることが大事ということ。専門性を高めるだけでは限界があり、他の知識と融合させることでさらに大きな成功が得られる可能性があるという。
例えばマクドナルドのハンバーガーよりも美味しいバーガーを作れるという人は多くいるかもしれません。でもその人がマクドナルドよりも儲けることはできません。マクドナルドは販売戦略や生産プロセスなど、ビジネスの様々な要素が絡んで世界一のハンバーガーチェーンになり得ているんです。
イノベーションの新結合にも通ずるところがありますが、既存知と既存知が融合すると飛躍することがある。
「学ぶために働く」というのは長期投資ですが、知らないでいるよりも将来より大きな収入を生む投資になる可能性が高いでしょうね。
ファイナンシャル・インテリジェンス
金持ち父さんが身に着けるべきだとするファイナンシャル・インテリジェンスを簡単にまとめておきます。
1.会計力
数字を読む能力。賃借対照表や損益計算書といった財務諸表を読み解く能力。収益とコスト構造、資産や負債、キャッシュフローの流れからビジネスの強みと弱みを見極めることができる。
2.投資力
お金がお金を作る戦略を創造する力と実行力。
3.市場の理解力
需要と供給の関係、投資のファンダメンタルへの理解。
4.法律力
会計や投資市場に関する専門知識。会社という箱を用いて、資産を大幅に増やすのに役立つ税の優遇措置保護への知識と理解。
まとめ
過去に読んだ投資の本で言うと『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』があるのですが、あちらは金持ちになるというよりは、一般人でも買える株式投資についての話でした。
『金持ち父さん貧乏父さん』は、会社を持つという選択肢を提示しています。会社を持つというところに関しては、ちょっと興味が湧きました。
ただ、自分が働かずにビジネスをするということは、雇用に対して責任を持たなければいけないので、そこの部分はリスクだなーとは思います。確かに節税という意味では自分がオーナーのビジネスを持っていたほうがいいのでしょうけどもね。
一番いいのは、スモールビジネスで利益率は低くてもいいので安定して利益を出せるビジネスが作れればいいんですけどねえ。わがままか笑
本の目次
- はじめに 金持ち父さんと貧乏父さん
- 教えの書 金持ち父さんの六つの教え
- 第一の教え 金持ちはお金のために働かない
- 第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ
- 第三の教え 自分のビジネスを持つ
- 第四の教え 会社を作って節税する
- 第五の教え 金持ちはお金を作り出す
- 第六の教え お金のためでなく学ぶために働く
- 実践の書
- 実践その一 まず五つの害を乗り越えよう
- 実践その二 スタートを切るため10
- 実践その三 具体的な行動を始めるためのヒント
- おわりに 経済的自由を手に入れるには