久々にボリューミーな、ちょっと一人では読めそうにない『OPEN』という本。英治出版やNewsPicksパブリッシングの本が好みなのですが、結構骨太なものも多く大変です…
今回の本『OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る』はアクティブ・ブック・ダイアローグでの読書会で読見通し、もう一度通読。
簡単にいうと、オープンになることで人類は進化してきたのでオープンになることがいいんだよ、でも人間は「昔のほうがよかった」と感じてしまうし、未知の将来は怖いのでクローズドになってしまう…じゃあどうする?といった内容。
私自身の経験上、多様性がいいというのは分かるし、開かれていたほうがいい、というのもわかる。本でも書いてありますが、オープンさがもたらした便益は歴史上明らかなわけですが、どうしても今を生きる個人の感情では、どこかでクローズドになってしまいます。
高い視座、広い視野、永井時間軸で世界全体を見ると、右肩上がりのプラスサムだけど、個人に落とし込むと不幸になるかもしれないという自己中心で短期的な見方に、どうしてもなっちゃんですよねー。人間って利己的。
本の結論では、人は空気に飲み込めれちゃうのでそれは仕方ないけど、誰か一人でも口を開いたときに流れが変わることもあるから、そのオープンさを支援しましょうという感じで締めくくられます。
本の概要と要約
著者の課題
オープン性こそが人類を進化させたのに、オープン性は過去も現在も常に脅かされている。
解決方法
今日、大切とされていることはオープン性がもたらしたものであることを認識する。ゼロサムで考えない。
内容
・オープンさが人類に進歩をもたらしてきた
ーオープンな交流・交易
ーすべての部族は交易している
ー30年前に遡っても輸送、交換、取引はある
ー「協力」によってホモサピエンスは進歩した
ーオープンな門戸
ーあらゆる文化文明は雑種
ー交流、交易をさらに加速させるのは「自由移民」
ー移民は脅威と思われがちだが、人類は過去の移民による便益を否定できない
ーオープンな精神
ー科学
ー理論→実証の流れ。議論・批判から改善
ー啓蒙主義
ー自分たちがよいと思ったものを流通
ー批判の伝統を確立
ーオープンな社会になる
ーただしこれらが長期的に維持される必要がある
ー産業革命が中国で起こらなかった理由
ー中国は政府が強すぎた
ーヨーロッパは当局が無能で無視できた
ー鄭和VSコロンブス
ー鄭和の航海はなかったことにされた
ーコロンブスはヨーロッパ中からパトロンを探せた
・クローズド(オープン性への反抗)には抗えない?
ー部族主義本能
ー私たちは「敵」と「味方」に分かれたがる
ー生き残るために集団に所属し協力
ーさらに個人的な人生の目標を達成したい
ーゼロサム思考
ー個人ではwin-winを望む
ー資源争いではゼロサムで考えてしまう
ーしかし実際には市場の再配分は投資にも及ぶのでプラスサム
ーノスタルジアと将来への不安
ー「昔はよかった」というノスタルジア
ーメソポタミアまで遡るくらい裁量は常に異なる
ー未知の科学も怖い。ワクチン、麻酔、電気…
ーこれらは人類が常に進化し続けてきたことを無視している
ーどうやったら悪循環を脱することができるか
ークローズドさは「闘争」か「逃走」をもたらしてしまう
ー自分にもバイアスがあることを認識する
ーでも人は追随してしまうので、空気を読むことはある
ーたった一人が口を開くだけで、追従の呪縛が解かれるのでオープン性を支援してほしい
著者:ヨハン・ノルベリとは
著者のヨハン・ノルベリはスウェーデンの歴史学者。米ワシントンDC拠点のシンクタンク、ケイトー研究所シニアフェロー。1973年スウェーデン・ストックホルム生まれ。ストックホルム大学にて歴史学の修士号を取得。ブリュッセル拠点のシンクタンク、欧州国際政治経済研究所(ECIPE)シニアフェローなどをへて現職。
スティーブン・ピンカー、マット・リドレー、故ハンス・ロスリング(『ファクトフルネス』著者)らと並んで、歴史学、経済学、統計学、進化生物学など幅広い領域の最新知見をもとに楽観的な未来を構想する、現代を代表するビッグ・シンカーのひとりである。 本書『OPEN』で、前著『進歩』に続いてエコノミスト誌ブック・オブ・ザ・イヤー賞を連続受賞する快挙を達成。
●公式
公式サイト:Johan Norberg(http://www.johannorberg.net/)
Twitter:Johan Norberg@johanknorberg
本の解説と感想
著者のヨハン・ノルベリによれば、人類のこれまでの進歩は「OPEN(オープン)」と「(CLOSED)クローズド」の戦いだったという。オープンさが人類を飛躍的に進歩させてきたにも関わらず、「オープン」は常に脅かされているのだと述べています。一体どういうことなのでしょうか。
OPEN(オープンさ)
オープンな交易
交易しない人間の部族は、未だに知られていない
『OPEN(オープン)』p33
ホモ・サピエンスはこれまで「交易」によって進歩してきました。30万年前のもっとも古いホモサピエンスの化石からも、その交易の様子が伺えます。産出場所が限定される黒曜石が材料として使われる道具が発見されているからです。
どうやらその黒曜石は88キロも先の山地から来たものだとされており、当時の住民がそこまで移動していたとは考えにくく、長距離交易ネットワークの一部だったのでは推測されています。そうであれば、30年前から、輸送・交換・取引が発生していた可能性があります。
メソポタミアのシュメール文明は文字を使っていましたが、最も古い文献は商取引の記録なのだそうです。『サピエンス全史』でも人類の進化の大きなきっかけだったのは、文字と貨幣、とまとめられていました。商取引と言う交易が部族間をつなぎ、協力関係によって、足りないものや新しいものを手に入れて前進してきたのがホモ・サピエンスです。
オープンな門戸
自由貿易よりさらに便益の高い政策があるとすれば、それは自由移民だ
『OPEN(オープン)』p87
グローバル全体でみれば、最も効率的に生産するには、あらゆる国や人同士で相補的な労働者や機械、インフラと組むことが最善。多様性がイノベーションをもたらすことはもはや疑いようのないことです。で、どうやら人を含めた貿易障壁をすべてなくしたら、世界GDPは数ポイント増えるのだそうです。
ですが、今日「移民」という言葉にはネガティブな印象が付きまとい、受け入れる国の人達からは拒否反応が強くあります。どうやら国のアイデンティティを外人や流浪の民から保護しなければならないという反対です。
その反対は過去の移民による成果を否定するものです。私たちの国であったり文化であったりは、過去の様々な文化、宗教、科学の組み合わせで、世の中のあらゆるものは雑種なはず。
過去の例でも、ペルシャの帝国は他国の支配者は始末したものの地元の社会構造や習慣は認めていました。モンゴルは進んで同部族よりも優秀な他民族を採用し、他民族のシステムでよいものがあれば取り入れて拡大しました。
移民の拒否反応は、過去の偉人達も懸念を抱いたようで、アメリカ合衆国建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンも「ペンシルバニア州が大臣の国になりつつある」という心配をし、同じく合衆国憲法の起案者の一人トマス・ジェファーソンも「欧州からくる人は出身国の原理を持ってくると懸念」していたそうです。
どうやら昔からこの性質は人間あるあるのようですね。オープンな交流や門戸の効果については『多様性の科学』と繋がる面がありますので参考にしてください。
オープンな精神
新しいものを迎え入れるためには、精神(というかマインド)も大切です。オープンかクローズドかの戦いはどこまでいっても、これかなと思います。本書では「科学」と「啓蒙主義」を切り口にオープンな精神について説明しています。
科学は理論の世界。科学は単純に体験を記録したのではなく、仮説検証、実証、批判がなされて構築していったもの。オープンな議論ができたからこそ進化を続けることができたと言えます。もっともすぐには覆らないことも多いようですが…
また、ヨーロッパでは啓蒙主義(wikipediaによれば理性を自ら用いて超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促すという意味)が17世紀ころから浸透しました。分かりやすく言えば封建的な教会の考え方に対して、合理的によい考えやよいものを取り入れようとする動きです。
科学や啓蒙主義というオープンな精神が、人間に進歩をもたらしてきた側面は否めません。
オープンな社会
中国の進歩がこれほど脆弱だったのは、中国政府が強すぎたためだ
『OPEN(オープン)』p211
オープンな交易、オープンな門戸、オープンな精神が揃っているならば、産業革命のような大きな動きはヨーロッパに先んじて中国で起きてたのではないか?という疑問が浮かびます。ヨーロッパの文化発達よりも、中国の文化の発達のほうが早かったのではないか、という見方もされます。
中国とヨーロッパの違いは、中央集権であるかそうでないかの違いが大きかったようです。中国の場合は時の皇帝の影響力が非常に強く、先代の皇帝と現在の皇帝で考え方が違ったら全土が一斉にその方向に向くのでオープンさの持続期間が短かった。これに対し、ヨーロッパはある国や地域ではNGなことも異なる土地に行けばOKということが可能だったようで、誰かがどこかでオープンである環境があったのです。
例として出されたのが、鄭和とコロンブスの大航海の話。コロンブスはアメリカ大陸を初めて発見した人物ということで知っている人も多いはず。一方の鄭和は、こちらも素晴らしい航海と発見をしたようなのですが、その多くは無きものにされてしまったのだとか。
鄭和が航海を命ぜられたころの皇帝はオープンに大航海を敢行したものの、その後の皇帝は内向きになっており、鄭和が亡くなる頃にはその航海の情報を廃棄する動きがあったようです。これには時の皇帝が航海にかかる莫大な費用を憂慮して、のちの官僚たちが浪漫を求めないためなどという説があるそうです。
一方でコロンブスはと言うと、航海にかかる費用をポルトガルに求めましたが断られスペインがパトロンになります。どこかで断られてもどこかで支援者が見つかるという環境がヨーロッパの強みだったんですね。
CLOSED(クローズド)
部族主義本能
『サピエンス全史』でも紐解かれたように、人類はあったこともない集団と想像上の共同体となり、その数を増やしていきました。だからこそ繁栄できた…というのはあるのですが、同時に「敵」と「味方」というのもはっきりしてきます。
自分を命を守るために見知らぬ人とも協力をすることができるのがホモ・サピエンスですが、その能力はあくまでも自分の命を守るため。自分の命を守るためには、もう一つ「敵」を攻撃し、脅威をなくす方法があります。
人は、生き残るために集団に所属し、そのなかで自分が協力できる役割を果たします。そして、外集団に対しては敵意をむき出しにして、自分が所属する集団が脅威にさらされないようにしようと動きます。こういうマインドを持ってしまうので、外集団に敵意がないにも関わらず勝手に敵を作ってしまうということが起きてしまうわけです。
ゼロサム思考
ゼロサム思考とは、AさんとBさんがいたときに、Aさんが利益を得れば、Bさんは同じ分だけ損をして、両方の損得を合算するとプラスマイナスゼロになるという考え方です。
人間のほとんどは、お互いのどちらもいい方向に行くことを望むのですが、現実問題として、「だれかが割を食う」という状態が発生するので、総和としてよさそうなことにも拒否感が出てきます。
例としてゴミ処理場をどこに置くか、という問題で考えてみましょう。
ゴミ処理場がない社会はあり得ないと考える人がほとんどだと思いますが、その設置場所をどこにするか考えると、自分の家の隣にはあってほしくないと考える人もまたほとんどなはず。米軍基地とかゴミ処理場とかでも同じことになるのではないでしょうか?
また市場の話を展開すると、どこかが儲けてどこかが損をするという差は出てくるのですが、余剰分は再投資されたり、従業員の給与となって別の消費に転換されていき、マーケット全体ではプラスサムになっていくはず。なのに自分事にするとどうしてもクローズドになってしまうのが人間の本性…
ノスタルジアと将来への不安
「昔はよかった」という言葉は、誰しもが何歳になろうがつぶやくはず。オープン性をクローズドにさせるのはネットスラングで懐古厨と呼ばれるような人たち…というかたぶん全員ですけど。嘘かホントか不明ですが、エジプトの壁画には「今の若者はなってない…」という言葉を綴っていたなんて言う噂が、なんだかしっくりきてしまうくらい、多くの人が共感すること。
例えば、今の人が1950年代がよかったと言えば、当時は人種や階級、戦争と言った脅威にさらされていたし、50年代の人が20年代こそよかったと言えば、その時代はテクノロジーの進歩もあってあらゆるものが速く選択肢が多くなり忙しなくなった…そういう風に遡るとメソポタミアまで行ってしまうかもしれない。
この心理は同時に、自分たちが想像できない将来への不安でもあります。
自分たちが成功してきたやり方でなら、将来こうなる…というんはある程度予測がついても、新しい考えや技術、若者世代のムーブメントが起きると、予測ができない。それは許せない、怖い。
人類の寿命を長くしたワクチンも、いまだに一部には拒否反応があります。わからないことは陰謀論で片付けてしまおうという解決手段に行く人もいる。でもこれは過去の科学技術の進歩の中でも、多くのことに拒否感はあったはず。天然痘ワクチン、電気、自動機織機…。自転車ですら生殖機能に影響が出る…と言われたのだとか。
悪循環を脱するのは?
これまで読んできた通り、「オープンさ」が人類を進歩させてきたのに、「クローズド」がいつの時代に付きまとっていることが分かります。両方とも人間の本能でもあるため共存しつつ、矛盾する性質ですが、オープン性の効用が上回って人類は進歩してきました。
自分がクローズドになってしまうのは仕方がないこと。しかも人は他人に追従してしまい、空気を読んで悪目立ちを避けようとします。これも生存本能ですね。
となると、「じゃあ、どうすればいいんだ?」となるわけです。
まずは自分にもバイアスがあることを認めること。その認識の上で、オープンさをもって何かを変えようという人がいた時に、否定せずに支援するということが私たち大衆にできることです。
まとめ
『オープン』という本を読む前に、『多様性の科学』とか『サピエンス全史』を合わせたような話しかなと思ったりしていました。近しいところはあるのですが、本書の特徴は人間の内向き志向にも焦点を当てているところ。クローズドなところもまた人間の本性だとちゃんと語っているところ。
この手の本は、「あるべき形」を主張して、どうしたらそうなれるかのハードルが結構高いのが普通。
だけど人間の進歩における矛盾についても述べながら、どうすればクローズドさから抜け出せるのか、また身動きできず抜け出せなかったとしても、私たちにできることは何なのか、といったことを示してくれました。
- はじめに︰交易者と部族人
- 第1部オープン
- 第1章 オープンな交流 人類史上最大の発明は「交易」だ。これが21世紀にいたるまで、私たちに凄まじい進歩をもたらす。
- ホモ・メルカトル
- 文化の進化
- ネアンデルタール人を殺したのは誰?
- 交易の道徳性
- すべてはメソポタミアに始まる
- 古典世界を造り出したグローバリストたち
- すべての道はローマに通ず
- 二つの島の教訓
- 貿易をめぐる新たな戦い
- 貿易収支はどうでもいい
- なぜアメリカのラストベルト地帯は衰退したか
- 第2章 オープンな門戸 多様性がある集団ほど問題解決がうまくなる。ローマ、モンゴル、スペイン帝国の興亡と、現代の移民問題が教えるものとは。
- 文化盗用
- 人はみんな雑種
- 病気への耐性
- アイデアがセックスするとき
- 多様性の帝国
- ローマ人になる
- モンゴル帝国の寛容性
- スペイン帝国の滅び方
- 人種のるつぼ
- うちの会社にはふさしくない?
- 今回はちがう?
- 移民が雇用に与える影響
- 移民が文化に与える影響
- 第3章 オープンな精神 なぜ科学と啓蒙主義は、ヨーロッパで生きのび、発展したのか?西洋人が特別有能だったからではない。「ある条件」がそろっていたからだ。
- 科学の誕生
- 暗黒化する時代
- イスラムはヨーロッパの先生
- 復活
- 正統教義の逆襲
- ヨーロッパという例外
- 妬みによる模倣
- 手紙の共和国
- 正統教義の惰眠
- 不可欠なまばゆい火花
- 第4章 オープンな社会 なぜ産業革命は、技術と人材に恵まれた中国ではなく、イギリスで起きたのか?無能な当局と無礼講精神のおかげだ。
- 中国が最初であるべきだった
- 宋の没落
- 鄭和VSコロンブス
- 権力を握るラッダイト
- 内戦
- 名誉革命
- オープンな取引
- オープンな門戸
- オープンな精神
- アメリカ革命
- 全き劇場
- 人道主義革命
- ヨーロッパの華々しき失敗
- 第1章 オープンな交流 人類史上最大の発明は「交易」だ。これが21世紀にいたるまで、私たちに凄まじい進歩をもたらす。
- 第2部 クローズド
- 第5章 「ヤツら」と「オレたち」 なぜ世界は「敵と味方」に分かれるのか?なぜ戦争やヘイトは起こるのか?21世紀の今なお、進化が生んだ「部族主義本能」に私達は動かされている。
- 青組と赤組、ラトラーズとイーグルズ
- 最小グループ・パラダイム
- ユニフォームに熱狂する
- 最悪と最善
- 流動的な部族主義
- 私たちの過激な煙感知器
- 政治的同族意識
- オープンな世界の部族的な脳
- 第6章 ゼロサム 「オレたちが貧しいのは誰かが搾取しているから」というゼロサム思考は、人類の本能。だが直感に反して、経済は「プラスサム」なのだ。
- ゼロサムは人を群れたがりにする
- 経済はゼロサムではない
- フォーク経済学
- 等価マッチング
- イノベーションの誤解
- 交易神話
- シュンペーター的利益
- ジェフ・ベゾス・テスト
- ゼロサム化
- ただし地位はゼロサム
- 第7章 将来への不安 「昔はよかった。それに引きかえ今は……」。古代から人類はそうボヤいてきた。この「過去の美化」は、事実に反するだけでなく、技術の進歩と社会改善を妨げる。
- 古き良き時代とはいつのこと?
- 科学技術恐怖症
- 未来とその敵
- なぜパソコンはソ連で発明されなかったのか?
- インターネット誕生
- コンピュータ創造の今
- 中国のパラドックス
- 官僚主義的無気力
- 不確実性への対処
- 地球温暖化
- すべてが知識の問題
- 第8章 戦うか逃げるか 自集団の危機を感じると、私たちは強いリーダーを求める。メディア報道と SNS が、右派左派を問わず、この部族主義を強化する。
- 静かな革命
- 9・11VS11・9
- 専制主義的な傾向
- 緊急ニュース
- つまらん経済のせいなのか?
- オープン制への反抗
- 陰謀論のメカニズム
- 再び起こるだろうか?
- 恐れている怪物は私たち自身
- 第9章 オープンかクローズドか? ハンチントン『文明の衝突』に反して、今起きているのは「文明内の衝突」だ。「ゼロサム思考」「部族主義」という人間の本能には抗えないのか?いや打つ手はある。
- どうやったらこの悪循環を破れるのか?
- 何ができるだろうか?
- 手放してはいけない
- 第5章 「ヤツら」と「オレたち」 なぜ世界は「敵と味方」に分かれるのか?なぜ戦争やヘイトは起こるのか?21世紀の今なお、進化が生んだ「部族主義本能」に私達は動かされている。