『ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー』の書評とサクッと要約|最初の90日で成否が決まる

ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー ビジネス
ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー(マイケル・ワトキンス著)

「ハーバード流」とか、ブランドに頼った名前の本はなんだか避けがちなのですが、『90日で成果を出すリーダー』はとてもよくまとまっていて、しかも納得することばかり。やっていたなということもあるけど、できていないこともたくさんある。私の場合、新しいミッションが降りかかってからすでに90日は経過しているので、もっと早めに読めばよかった笑

ざっくり言ってしまえば、昇進や転職などで「移行」するリーダーが成功するには最初の90日が大事だ!という内容です。ほとんどのことは「はじめに」にあたるところでまとめられていて、さらに具体的な内容が後に続いている…という感じです。

私は社内での「移行」がめちゃくちゃ多いのですが、やはり最初が肝心だと感じます。初動では、任命者に求められているからミッションに就くわけで、その期待に沿うようになるべく早めに(上司にとって)成果を出していきたいです。その期待が何なのかがさっぱり分からないことも多いのですが…

とはいえ、ある程度はできていると思うのですが、自分の問題点としては最初にぶち上げてある程度の上司の満足を得られたあと、やや尻切れトンボになってしまうところ。せっかくやったものをなかなか飛躍させることができない。この現象も、うまくクリアできる方法があればいいんだけどな…

ところで、なぜ90日なのかって話。90日はあくまで目安だとは思うものの、新しい上司があなたに期待をして任命して、成果が出ないのが我慢ができるのが90日くらい…という感じなんだと思います。そう考えるとおのずと90日の計画を立てるという思考になりますよね。

いままでやれていたということも、計画性をもってできていたかどうかと言われれば、なんとなく功を焦ってやっていた感がある。好きにできて成果が出ても、実は長期的には味方を作れなくて…なんてこともあるので、人間関係もしっかり考えておかないといけないですね。

ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー (Harvard Business School Press) | マイケル・ワトキンス, Michael Watkins, 伊豆原 弓 |本 | 通販 | Amazon
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本の概要と要約

『90日で成果を出すリーダー』の問題提起
『90日で成果を出すリーダー』の問題提起

著者の課題
新しい任務に就いて最初の数か月で成功か失敗かが決まる。低い評価はなかなか変えられない。

解決方法
新しい任務に早く馴染むための90日計画を作成し、ブレイクイーブンポイントに早く到達する。

『90日で成果を出すリーダー』の要約
リーダーには「移行能力」が必要
『90日で成果を出すリーダー』の要約
最初の90日計画を作成しよう

内容
・リーダーには移行能力が必要
・移行には2つの機会がある
 ①昇進
  -この間まで同僚だった人が部下に…
  -影響の範囲が広くなる
  -考える変数が増えるので複雑で不確実になる
  -よりパワーのある関係者と駆け引きすることになる
  -厳しい目で見られる
 ②転職
  -前の職場とは環境がまるで違う…
  -会社のビジネスを知る必要がある
  -選んでくれた人に期待されている
  -新しい文化に馴染む必要がある

・リーダーはできるだけ早くブレイクスルーポイントに到達させる
 -最初の三か月までは消費される価値のほうが多い
 -はやくブレイクスルーすれば創造される価値が増える

・新しい挑戦は自分の能力不足を露呈させる
 -学ばなければならない
 -新しい役職を提示されたのはあなたを選んだ人があなたならできると判断したから
 -ただし過去のやり方にこだわると落とし穴にはまる

・最初の90日計画を作る基本原則
 ①準備を整える 
  -着任する前から情報収集する
  -過去の成功を引きずらない
 ②効率よく学習する
  -何を学べばいいか考える
  -情報源を把握する
  -学びが早ければ早くビジネスで優れた判断ができる
 ③状況に合った戦略をとる
  -事業が置かれている状況によって戦略を変える
 ④成功条件を交渉する
  -自分が望む目標をつくるため新しい上司と合意する
 ⑤初期の成果を上げる
  -流れをつくる
  -やることを絞って集中しプロジェクト化する
  -上司にとって価値がある成果を上げる
 ⑥組織のバランスをとる
  -戦略、プロセス、スキルの整合性をとる
 ⑦チームを作る
  -30日もすればチームの人となりが分かる
  -厳しい人事判断もする
 ⑧味方の輪を作る
  -人を見極める
  -協力者、抵抗者がどうすれば動くかを考える
 ⑨自己のバランスを保つ
  -あなたが仕事で移行中なら周囲も移行中
  -自分の生活バランスを整える
  -家族の生活バランスを考える
 ⑩組織全体の移行を速める
  -失敗すると会社もコストがかかる
  -支援の体制を整える
 -これらを90日の枠内で計画し、実践していく

著者:マイケル・ワトキンスとは

本書「The First 90 Days」で著名な、リーダーのキャリア移行を支援する移行加速の世界的エキスパート。フォーチュン500企業向けにオンボーディングと移行加速のソリューション、ワークショップ、コーチングを企画するリーダーシップ開発コンサルティング会社、ジェネシス・アドバイザーズの共同設立者。また、スイス・ローザンヌのIMDビジネススクールのリーダーシップ学教授として、上級管理者課程で教鞭を執る。ハーバード・ビジネススクールとハーバード・ケネディ・スクール・オブ・ガバメントの教授も歴任。

2019年には、世界で最も影響力のあるビジネス思索家の一人に選出されています。(このランキングには『恐れのない組織』のエイミー・エドモンソンも含まれている)

●ニュース記事
ジェネシスの共同創業者のマイケル・ワトキンスが世界で最も影響力のあるビジネス思索家の一人に選出(BUSINESS WIRE 2019.12.12)

本の解説と感想(レビュー)

リーダーが直面する2種類の「移行」

新しい役職を提示されたのは、あなたを選んだ人物が、あなたには成功する能力があると判断したからだ(中略)過去にうまくいったことに頼りすぎると致命的な結果をまねきかねない

『90日で成果を出すリーダー』p18

ビジネスの場面であなたの目の前に、今までやったことのないミッションが降りかかる場面は、「昇進」して部下を持つこと、「転職」して新たな職場で新たなビジネスに向き合うことの2種類があります。これらの場面をうまく乗り越えるには、「移行」の能力が必要です。

1.昇進

昇進をすると給料が上がるのは、様々なことが複雑化するするからです。

例えば、あなたがコントロールできる範囲が広がったり、人に任せることをしなければならなかったり、今まで向き合ってきた同僚や上司だけではなく、他部署との駆け引きも発生しクセ者たちと付き合うことになります。さらに昇進したては、「こいつ出世したけどどうなんだ?」と厳しい目で見られます。上司からも部下からも品定めされるのです。

2.転職

会社が変わったり、新たなミッションを任せられたりしたときがもう一つの移行。これは分かりやすいですね。転職して、うまくその会社に馴染んでいくには「認められる」ということが大切です。

スムーズに進めていくためには、その会社のビジネスを考えるために、会社全体について学んだり、仕事をするうえでどのような関係者がいてどのような関係を築くべきかを考えたり、そもそも何を期待されているのかを把握することが大事になってきます。

いままでやってきたやり方では通じない場合もあるので、その会社がどのような文化を持っているのかを研究し、適応することも求められます。

移行に必要な10原則

1.準備を整える

2種類の移行の場面では、数か月をかけて求められるミッションの達成を目指します。そのプロセスをスムーズに推進するのが以降能力。リーダーが求められるのは、移行の場面で可能な限り早くブレイクスルーポイントを超えることです。

移行の場面に入ってすぐ成果は出せません。成果を出すまでは学習コストなんです。ブレイクスルーポイントを超えさえすればあとは創造的な価値が生まれていくわけです。そこをいかに早めるかの最初の行動が準備。

そもそも新しい仕事がどのようなビジネスモデルなのか、どのような環境なのか。何を求められていて、評価されることは何なのか。サポートしてくれそうな人はいるのか。これらは全て学習です。新しいミッションに直面する際は、学びなおさなければならないと分かると不安が沸き起こるものです。なぜならば、今までの自分の知識や方法ではうまく行かないことも多く、自分の能力不足を思い知らされるからです。

ですが、学びなおすことは全てのリーダーが必ず経験すること。その事実を受け入れさえすれば、この局面も乗り越えることができるようになります。

2.効率よく学ぶ

軌道に乗るまでの努力は投資プロセスであり、貴重な時間や労力は慎重に管理すべき資源である。とすれば、そこから得られるリターンは「アクションにつながる理解」である

『90日で成果を出すリーダー』 p32

移行に成功するためにまずやらなければならないことは、「効率よく学習する」ことです。この威力は大きく、疎かにしてはいけません。自分の弱み、つまり新しい任務に就いて、でできないことや知らないことをいち早く把握してその弱点を克服することができれば、早くにより優れた判断ができるということです。

「軌道に乗るまでの努力は投資」ってめちゃくちゃ分かりやすい言葉です。経営者からしても、最初からうまく行くなんて考えていないわけで、しばらくは見守ってくれるわけです。しかしそれが時間を経てもなかなか成果が出ない…なんてことになればそこであなたの評価は決定しかねません。だからこそ学習計画を立てるのは90日のなかでもとりわけ重要になります。

以下が学習計画を立てるためのテンプレートになります。

  • 就任前
    • 組織の戦略、構造、業績などわかる限りのことを調べる
    • 新しい上司と話す
    • 仮説を立ててみる
  • 就任直後
    • 詳細な事業計画を検討する
    • 部下と一対一で面談する
    • 一致する点と異なる点が明らかになると、部下の感覚がわかる
    • 上司に会って自分の仮説と発見について話し合う
  • 最初の一ヶ月が経過するまで
    • チームを集め気づいたことをフィードバックし、自分の見解に対する賛否を引き出しその力学について学ぶ
    • インテグレーターと会って部門間の接点でどのように物事が進む顔もなく
    • 上司に会って自分の見解について再び話し合う

3.状況に合った戦略を立てる

STARSモデルというのを初めて聞きましたが、新任リーダーがチョクメンする可能性のある5のよくあるビジネス状況の頭文字を組み合わせた用語だそうです。次のような要素です。

Start-up:立ち上げ
Turnaround:立て直し
Accelerated growth:急成長
Realignment・軌道修正
Sustaining success:成功の持続

著者も述べている通り、ピタリと当てはまるケースは多くないものの、あなたの事業もいずれかのフェーズかその狭間にいるはず。このポートフォリオを把握していれば、それぞれのフェーズにおける主な課題と機会を理解しながら、変革を進めるために適切な戦略が取れるはずです。

戦略とは例えば、あなたがどのようなリーダーシップのスタイルをとるかということです。
先頭に立ち引っ張っていく英雄スタイルなのか、ゆっくりと合意形成を取りながらハンドリングしていく執事スタイルなのか。

4.初期の成果を上げる

初期の成果は、社員を刺激し活気づけるとともに、自分自身の信用を高める。うまくすれば、新しい組織のために早く価値を創出できるようになり、ブレイクイーブンポイントに達するまでの時間をぐっと短縮できる

『90日で成果を出すリーダー』 p107

これができるできないで、その後のやりやすさがかなり変わってきます。私は新たなミッションになってからまだここができていない…すでに90日超過しちゃってますが…

なにより周囲からの「信頼」を勝ち取るということが重要なんですよね。信頼が勝ち取れなかったら、その後も本当にうまく行くのか?という疑心暗鬼のままで進み、やがては上司なのか他部署なのから「このチームは成果が出せるのか?」という疑問符が付く。ということで第4章だけでも読んで頂きたい。初期の成果は、短期的に流れを作るという役割と、長期的な事業目標を達成する土台を築くという役割を果たします

初期の成果を上げるための方法をざっとまとめます。

  • やることを絞り集中する
  • 正しい方法でやり遂げる
  • 上司にとって価値ある成果にする
  • 文化に合わせる

初期において何に重点を置いて成果を出すのかを把握し、それをプロジェクト化してやり遂げます。かつ正々堂々、正攻法でやり遂げることで実力を示すことができます。ただし、その成果となるものは上司が価値があると思っているものでないと成功とは言えません。上司が意味がないと思っていることでいくら頑張ってもさらなる支援を受けられないはずです。また、その会社で成果とされることは何なのかという文化に合わせることも念頭に置いておきましょう。

5.成功条件を交渉する

成功条件を交渉するとは、努力次第で望んだ目標を達成するチャンスができるようなゲームをつくるため、新しい上司と積極的に関わっていくことを意味する

『90日で成果を出すリーダー』 p77

これも大切。これを怠ると、数か月かけて求められていないことをやって、その結果何も評価されないという憂き目に…とにかく上司とはちゃんと話せってことですね。

自分のやりたいようにやるのは気持ちがいいけど、新たなミッションに就くころには、あなたに期待する成果がいつの間にか変わっているなんてこともなくはないです。

上司とのコミュニケーションで大切なことをざっとまとめます。

  • 距離を置かない
  • 悪い知らせは早めに入れる
  • 問題ばかり持ち込まない
  • 上司が変化することに期待しない
  • 上司にとって重要な分野で初期の成果を目指す
  • 上司を教育する

自分が上司の立場だったとしたら…という視点で考えると良いかもしれません。悪い知らせはなるべく早く知りたいし、面倒なことばかり持ち込まれたらいやになります。

あとなるほどと思ったのは「上司は変化しない」「上司を教育する」というところ。上司の仕事のスタイルや考え方が即座に変わるはずもなく、それは部下であるあなたが柔軟に変化すればいいだけ。そして、ゆっくりとでも変化させるために、上司に対して情報をインプットすること。上司から目標とされたものが実は現実的ではない可能性も往々にしてあります。より良い目標や方法があるかもしれないということを自分で気が付いてもらうことも大切なのではないでしょうか。誰もが「自分でコントロールしている」という感覚を持ちたいはずですから。

6.組織のバランスをととのえる

「7S」という組織のビジネスフレームワークがあります。7Sは7つの要素(戦略、組織構造、認識、スキル…など)がお互いに連動しているため、一貫性があるべきというものです。例えば、カリスマ的なリーダーシップを発揮する経営者がいたとして、そのビジョンに組織構造や人材スキルを合わせようとしていなかったら実現することができません。

本書では4つの要素でバランスを取ると述べられています。

  1. 戦略的方向性(組織のミッション、ビジョン、戦略)
  2. 構造(人がどのような単位で組織化され評価されているか)
  3. コアプロセス(情報と材料の処理によって価値を高めるために使われるシステム)
  4. スキルベース(組織の主な人材グループの能力)

7.チームをつくる

最初の90日間にくだすべき最も重要な決定は、人材に関する決定だろう

『 90日で成果を出すリーダー 』p162

現場では優秀な成果を出しても、リーダーとして優れた成果を出せずつまずくことも多いです。私も本当は現場のほうがあってると思うんですが…

私は過去に、別部署から異動していきなりリーダーに就いたことがあります。これはハマりました。大成功だったと思います。本書のお手本のような感じでやり遂げた感があります。

でも最近、自分に自信がなくなるのは、部下に対してうまく私が求めている成果を伝えられないということ。自分が現場でやっていた時は、自分で考え、上司に確認し、ある意味で空気を察して飲み込み、しかしそのなかで期待以上に成果を上げてきた自信があります。ですが、いまマネジメントの立場になって感じるのは、部下が「自分では考えられない」というのが普通だということ。ここが私の躓きポイント。

この違いは何なのかというと、上司がいないということ。ほぼ社長直轄なため、判断にためらいが多い。チームを作るというのは、そうした環境も影響するものだと思います。

ちなみに、本書ではチームを作るための心得を以下のようにまとめられています。これはこれでそうだね、という感じです。

  • 前リーダーを批判しない
  • 既存チームをそのままにしない
  • 厳しい人事判断に尻込みしない

チームメンバーがそれぞれどのような人物であるかは、最初の30日が経過する頃にはある程度の分類ができているはずなので、その情報を前提にチームを作るという意識を持っておきましょう。

8.味方の輪をつくる

たとえ十分な地位による権限をもっていたとしても、初期の成果の目標を支えてくれる味方づくりに力をそそぐべきである。これは、誰を動かすべきかを考え、重要な取り組みに誰が協力してくれそうか(また、誰が抵抗しそうか)を見きわめ、浮動票を取り込むという意味である

『90日で成果を出すリーダー』 p199-200

仕事をするうえでは、人間関係もとても重要な要素です。でも、これって実はかなり難しい。

例えば、自分の支持者が社長だったとしましょう。その傘の下で思い切りのいいことをしていくと、スピードも速く、大きな成果が出るかもしれません。しかし、気に食わないという人ももちろん出てくるし、なんなら「失敗しろ」と心の中で叫んでいるかもしれません。そういった利害関係も含め、自分がうまく行ける環境を整えるということなのだと思います。味方は誰かということ以上に、抵抗しそうな人がうまく取り込めるよう、どう動機付けできるかというのもポイントのように思います。

9.自己のバランスを保つ

自己管理は移行における重要課題なのだ

『90日で成果を出すリーダー』 p223

移行中、つまり昇格や転職したばかりのタイミングは、仕事だけではなく私生活も移行中と考えられます。転職の場合はもしかしたら引っ越しをして新しい環境になっているかもしれません。また往々にして最初は学習を急ぎたいがために、働く時間を増やして家庭の時間が減る可能性もあります。その場合はパートナーにもストレスがかかっているかもしれず、パートナーも移行期間ということになります。

仕事が家庭に影響を与えるように、自分自身や家庭も仕事に影響を与えます。なので、自己管理することは移行期間のなかでも考えるべき論点になり得ます。

自己管理をしていくための三本の柱として以下がまとめられていました。

  • 90日戦略を採用する
  • 個人的な規律を作る
  • 支援システムを構築する

90日という期間でいつ何をするのかを決め、進捗を確認して課題があればそれについて考えるようにします。また毎日の積み重ねではあるので、ルールは決めておくとよさそう。あとは自分の生活を支えるものは何かを見つめて、必要であれば助けを求めることで安定させることを考えておきます。

10.組織全体の移行を速める

この原則はこれまでのものと違って、リーダー本人というよりはもう少し視座が高いところで議論されるところだと思いました。

新任のリーダーがうまく行かなかったとき、そのキャリアを棒に振ってしまうかもしれません。それだけ採用する側にも責任があるということです。また、そのリーダーが成果が出せないということは、その期間だけ組織全体の価値創造が止まるということであり、もともと狙っていた価値創造もなしえないとなれば大いなる機会損失になります。コストです。

これを解消するシステムがあれば、組織はリーダーを支援できるような体制を恒常的に用意することで、全体としての生産性を上げていくことができるということです。

まとめ

90日で成果を出す、ということを目標に論点を分解していくと、おのずと何をやらなければならないのかということが見えてきそうですね。それは何をやらなければならないのか、どうすれば早く実現できるのか、ということから求められるのが、90日戦略の原則だったのかなと思います。

個人的には、学習、上司との確認、初期の成果というこの3点が意識できてればなんとか軌道に乗せられそうな気がしています。

何度も行ってますが新たなミッションに就いて、すでに90日が経過しているので、気持ちを切り替えて…行こうかな…

本の目次

『90日で成果を出すリーダー』の表紙
『90日で成果を出すリーダー』の表紙
  • はじめに 最初の90日
    • キャリア移行能力を身につける
    • ブレークイーブンポイントに達する
    • 移行の落とし穴にはまらない
    • 流れをつくる
    • 基本原則を理解する
    • 移行リスクを評価する
    • 最初の90日を計画する
    • 早速始めよう
  • 第1章 準備をととのえる
    • 昇進する
    • 新しい会社に溶け込む
    • コラム 文化規範を見極める
    • 準備をととのえる
    • まとめ
    • チェックリスト
  • 第2章 効率よく学ぶには
    • 学習の障害を克服する
    • 学習を投資プロセスと考える
    • 学習課題を決める
    • コラム 過去に関する質問
    • コラム 現在に関する質問
    • コラム 未来に関する質問
    • 知識を得るために最高の情報源を見きわめる
    • 構造化学習法を取り入れる
    • コラム 新任リーダーの同化
    • 学習計画の作成
    • コラム 学習計画のテンプレート
    • 支援を得る
    • まとめ
    • チェックリスト
  • 第3章 状況に合った戦略を立てる
    • STARS モデルを使う
    • STARSポートフォリオを診断する
    • 変革を主導する
    • 自己管理
    • 成功に報いる
    • まとめ
    • チェックリスト
  • 第4章 上司と成功条件を交渉する
    • 基本的なことに注意する
    • 5つの会話を計画する
    • 組織の状況についての会話を計画する
    • 上司の期待についての会話を計画する
    • 資源についての会話を計画する
    • 仕事のスタイルについての会話を計画する
    • 自己啓発についての会話を計画する
    • 複数の上司と協力する
    • 離れて働く
    • まとめー90日計画を交渉する
    • チームと五つの会話を契約する
    • コラム 移行の黄金率
    • チェックリスト
  • 第5章 初期の成果を上げる
    • 波をつくる
    • 目標から始める
    • 基本原則を使う
    • 初期の成果を見きわめる
    • コラムかつての同僚の上司になる
    • 変革を主導する
    • 予測可能な不意打ちは避ける
    • チェックリスト
  • 第6章 組織のバランスをととのえる
    • 落とし穴にはまらない
    • 組織構造を設定する
    • アンバランスを診断する
    • さあ、漕ぎ出そう
    • 戦略的方向性を定義する
    • コラム SWOTからTOWSへ
    • グループの構造を形成する
    • コアプロセスのバランスをとる
    • グループのスキルベースを開発する
    • 文化を変えるために構造を変える
    • バランスをとってみよう
    • チェックリスト
  • 第7章 理想のチームを作る
    • 落とし穴にはまらない
    • チームを評価する
    • チームを進化させる
    • チームのバランスをとる
    • コラム インセンティブの方程式
    • コラム オフサイト・ミーティング計画のチェックリスト
    • チームを主導する
    • チームを始動させる
    • チェックリスト
  • 第8章 味方の輪をつくる
    • 影響力の目標を定める
    • 影響力の全体を把握する
    • 重要人物を理解する
    • 相手を動かす戦略を立てる
    • まとめ
    • チェックリスト
  • 第9章 自己管理の意味を考える
    • 現状を検討する
    • コラム 構造的内省のガイドライン
    • 自己管理の三本の柱を理解する
    • 軌道を外れないために
    • チェックリスト
  • 第10章 組織全体の移行を早める
    • 重要な移行を特定する
    • 失敗が決定づけられているケースを特定する
    • 既存の移行支援を診断する
    • 共通の核となるモデルを採用する
    • タイムリーに支援する
    • 構造化プロセスを使う
    • 移行のタイプに合わせて支援する
    • リーダーの階層に合わせて移行を支援する
    • コラム移行コーチングと開発コーチング
    • 役割をはっきりさせインセンティブのバランスをとる
    • ほかの人材管理システムと統合する
    • まとめ
    • チェックリスト
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