『影響力の武器: なぜ、人は動かされるのか 』の書評とサクッと要約|人にイエスと言わせる6つの戦術

影響力の武器 ビジネス

「この記事は今日しか見れないので、最後まで読んでください!」って言ったらどのくらいの人が読んでくれるんでしょうか(^^; 『影響力の武器』をさっそく使ってみたのですが、そもそもこのブログで扱う内容にそこそこの価値がないと効果はないですね…

『影響力の武器』という訳は、日本語としてちょっとよく分からないのですが、人に影響を与える武器あるいはパワーといったところでしょうか。ハーバード・ビジネス・スクールには、Power and Influenceという分野のカリキュラムがあります。端的に言えば、人に影響を与え目的を達するために何にどのようにアプローチするかということを学習するものです。MBAでも一つの分野として置かれるほど重要な位置づけになっているんですね。

本書では「返報性」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」の6つの要素にまとめられていますが、人に影響を与える武器としてはなんだか漏れもありそうな気はしていますが、副題にある「動かされる」で解消されます。もし「動かす」のであれば、政治的なパワーや個人間の関係性(家族とか)もあってしかるべきかなと。ここでは強制力を伴わない機械的な反応(カチッ・サーというやつ)としての武器と言う認識であればよいのかと思います。

漏れはありそうと言いつつも十分に効果を発揮する6つの戦術。この原理を分かっている人は物事を進めるために有効に活用、人によっては意図的に人をだますために使います。私たちはこの原理をまず知って、反射的な意思決定をしないように注意しましょう。

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サマライズ(本の概要と要約)

影響力の武器の要約
影響力の武器

本の解説と感想

カチッ・サー

「カチッ・サー」というパッと見ただけだは何のことやら分からない言葉ですが、かなり優れたワーディングなのではないかなと思います。

原文も同じなんですかね。wikipediaでは”Automaticity”と書かれていたりします。文字づらから想像できる通り、「自動的な」とか「自動性」とかそういうイメージなのですが、実は「カチッ」というところがキモで、スイッチがONになる状態を表現しています。あとに続く「サー」というのはスイッチがONになった後、例えばチャンネルを合わせたテレビであったり、ラジオ、音楽のように流れていくだけの様子です。

私たちは何かのスイッチによって、そのあと実は自動的に同じような思考や動作をするようになっています。それは人間のみならず生物ができるだけ少ないエネルギーで活動できるように仕組化されたものといってもいいでしょう。

つまり、この「カチッ・サー」効果によって、人間の意思決定は単純化される部分が大いにあり、それを知っている人は自分に優位になるように相手に働きかけることができます。悪意を持って使おうとすればそれは人をだますテクニックとしても使われてしまいます。

現在もまだ振り込め詐欺という犯罪がありますが、「おれおれ」という電話口からの声で自動的に反応してしまったりするわけです。この事例では、色々な心理作用によって信じ込んでしまうのですが(例えば、電話をかけてくれ頼ってくれたという返報性、いつまで必要だという希少性など)、このような悪意から身を守るためにも影響力を及ぼすパワーの原理を理解しておくことが求められますね。

6つの影響力の武器

返報性
一言で言えばギブアンドテイクのこと。人間の関係性の多くはこの返報性で成り立っているともいえるくらい基本中の基本。あのとき声をかけてくれた、とか「恩」を感じることってありますよね。逆に「恩」を売っておくという言葉もあるように、いつかある見返りを期待して意図的に使うことも多いです。

ただし注意としては、いらない「恩」も存在するということ。向こうにとっては労力をかけてくれたものの、自分にとっては別にそこまでありがたいものではないこともあります。向こうは別に気にしていなかったことだとしても、自分には重しとして残ります。いらない恩でも持ったままと言うのは不快な状態をもたらしてしまうので、つい何かお返しをと考えてしまうんです。

コミットメントと一貫性
約束を破る人は信用をなくします。そうならないように仕向ける手段の一つです。例えば「今年、TOEIC900点を目指します!」と周囲に宣言する人と、密かに目標を立てた人のどちらが成功しそうでしょうか。おそらく前者の方が可能性が高いはず。一度宣言したことは曲げられないのが人間の心理。

「最後まで信念を貫き通す」「やり遂げる」というと格好はいいのですが、あとに引き下がれなくなってしまうという負の要素も持ち合わせています。もし疑問を持ったりすることがあれば、冷静に「いまの知識で当時決めたときに戻ったとしたら、その宣言をするか?」と自分に問うてみて、もしNOであれば引き下がる勇気も必要です。

社会的証明
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というのは、ビートたけしとビートきよしのコンビ・ツービートの漫才で出てきて今に残るフレーズ。まさにこの通り。まわりがやっているから問題ない、やってもいい、という心理。私たちは判断に迷うとき、他の人の動きを比較します。ビジネスも同様、競合他社がどうやっているのかを調査すること多いです。そしてその選択をしているんだ、それが一つの答えなんだという認識をしてしまいます。間違っているかもしれないのに。

不確実性のある状況下において他をまねることは安心感を得られますが、しっかりと「自分の軸は何か」と問いを立てながら判断しましょう。

好意
恋愛において好きな人のためなら、労力は惜しまない…という方は多いですよね。この好意は別に恋愛的な感情だけではありません。身体的な特徴(背が高い、顔が好み、清潔感がある)のほか、類似性(同じ趣味、出身地、出身校)、称賛といったことから好意が生まれます。初めて会う人でも同じ町の出身だったら急に親近感が湧いたりしますよね。あとは褒められて嫌なことはありません。

権威
資格をもった人がその専門性ある立場から助言をくれたら、疑いなく信じてしまいます。もちろんほとんどの場合、私たちよりも専門家の方が知識を有しており、経験もあり、最新の情報をもっていることは間違いないです。素人では判断のつかないことも専門家の意見であればそれが安心材料となり判断材料になります。

一方で最近はセカンドオピニオンという言葉もある通り、お医者さんに診て頂いたとしてもその人の本当の専門分野が違ったり、専門でも見解が違ったりするわけで、複数のお医者さんに診てもらう方がいいとうわけです。いくら有資格者だとしてももう目的に信じては大きな過ちを犯してしまうかもしれません。

希少性
限定品という言葉に弱いのは、もしかしたら人間が過去の歴史から資源の有限性を認知し、少ないものほど価値があるということが身に染みているからなのかもしれません。人は失うこと、手に入ったはずなのに、二度と手に入らなくなるということほど落胆することはありません。そしてその瞬間さらにほしくなるという衝動も置きます。

希少性はマーケティングでも分かりやすく使われています。私のところにも、毎日アパレルのECサイトからメールが来ます。「最後の!」とか「タイムセール!」とか。これ全然何度も繰り返されるんですよね…

影響力の武器

本の目次

  • 第1章 影響力の武器
    • カチッ・サー
    • 思考の近道に賭ける
    • 誰が得しているのか?
    • 柔道
    • まとめ・設問
  • 第2章 返報性――昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが
    • 返報性のルールはどのように働くか
    • 譲り合い
    • 拒否させた後に譲歩する
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第3章 コミットメントと一貫性――心に住む小鬼
    • 一貫性のテープが回る
    • コミットメントが鍵
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第4章 社会的証明――真実は私たちに
    • 社会的証明の原理
    • 死因は……不明(確かなこと)
    • 私のまねをしなさい……サルのように
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第5章 好意――優しそうな顔をした泥棒
    • 友達になるのは、影響を及ぼすため
    • あなたを好きになるのはなぜ? その理由を考えてみよう
    • 条件付けと連合
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第6章 権威――導かれる服従
    • 権威のもつ影響力の強さ
    • 盲目的な服従の持つ魅力と危険性
    • 重要なのは中身ではなく外見
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第7章 希少性――わずかなものについての法則
    • 少ないものがベスト 失うことはワースト
    • 心理的アスタリスク
    • 最適の条件
    • 防衛法・まとめ・設問
  • 第8章
    • 原始的な自動性
    • 現代の自動性
    • 近道は神聖的なもの
    • 防衛法・まとめ・設問

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