『13歳からのアート思考』の書評とサクッと要約|自分なりの答えを見つけよう

13歳からのアート思考 自己啓発

ビジネスマンが基本的に備えるべきだというスキルあるいは思考として、ロジカルシンキングという言葉は古くからあり、昨今そのロジカルシンキングはクリティカルシンキング(so what?と問うていく思考法)に形を変えてきています。そこにきて、今はデザイン思考やアート思考という新たな言葉が躍っています。さて、アート思考とは…?

『13歳からのアート思考』はプロローグでモネの『睡蓮』の写真を掲載し、子どもを媒介にしてこう問いかけてきます。「このなかにカエルがいるのが見えるか」と。物理的にはもちろん見えないのですが、子どもはモネの『睡蓮』にカエルの姿を見いだす自分なりの解釈を持っているということを伝える問いかけです。

私たちは「自分なりの」意見って持っているようで持っていないことが多いのかもしれません。ロジカルシンキングでは、因数分解をして答えを導き出しますが、ある意味で数式に当てはめていく作業です。アート思考は、自分なりの答えを出すための「問い」の思考なのです。

正直なところ、「アート思考」という言葉からして、ちょっと「意識が高い」気がして苦手だったのですが、自分なりのモノの見方で自分なりの答えを出そうよとう考え方と捉えるのなら、なんてことはない気がしてきます。(とはいえ、私たちにはたくさんの固定観念があって、「自分なり」をだせる障壁となっているのですが…)

ところで、本のなかには章ごとに「やってみよう」というコーナーがあり、読み進める前に僕らに考えさせる時間をくれます。わかりやすいこのプロセスを経ることによって、アートそのものやそれを生み出すアーティストって何だろうと考えるきっかけをくれました。『13歳からのアート思考』、とてもいい本です。

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サマライズ(本の概要と要約)

13歳からのアート思考の要約
13歳からのアート思考の要約

本の解説と感想

13歳になると美術が嫌いになる?

子供の頃って何か一枚の絵を見ながら、そこから物語を膨らませていた気がします。モネの『睡蓮』の話を先ほど書きましたが、まさにそれ。水面に広がる睡蓮の下にカエルが隠れているという想像を働かせることが、子どものころ多くの人ができたのです。

ぜひ、いちどモネの『睡蓮』を見てみてください。wikipediaのリンクを貼っておきます。

小学校の頃の図画工作の授業ってメチャクチャ楽しかったですよね。何か条件は与えられはするけど、自由だった。ですが、中学校に上がると途端に自分なりのアプローチがなくなります。妙に写実的になった気がします。上手く書く技術が求められたというか。そうそれが13歳。

デザイン思考とアート思考

アート思考とともに「デザイン思考」という言葉も最近よく聞きます。デザインとアート、なんか似ている。さて、どんな違いがあるのでしょうか。

これは私見ですが、デザインというのはあくまでも課題解決の手段。機能性があると言ってもいいかもしれません。目標や目的があってそれを達成するためのものです。かつ、提供先にはユーザーが想定されています。

アートというのは、課題解決ではありません。アーティストにとっては答えであり、またアーティストが作り出した作品を観た者への問いかけになり、観た者が自分なりに解釈していくものです。そこには創造性があり、今まで人が気が付かなかった新しい価値を生み出すパワーを持つ場合もあります。

『13歳からのアート思考』で言えば、デザイン思考は「花職人」ということになるかと思います。アート思考では、表現されるものは興味のタネから根を伸ばして探求し続けた結果ということになります。

アートってなんだ?

「アートってなんだ?」ってすごい良い問いかけ。素晴らしいアートってなんだろう、リアルって何だろう。もしこれに正解があるんだとしたら、もはやアート思考はお役御免です。

もし何か作品を見たときに、「これは素晴らしいな~」って思ったとしたら、あなたは何かを基準にしてそう思うのでしょうか。教科書に載っているから…とかはこのアート思考では禁句。そしてもちろん上手い下手ではないですよね。ピカソの絵が上手いと言えるのでしょうか(書けと言われても書けませんが…)。上手いというならカメラで撮ったらそっくりそのままなのだから、リアルさを求める方向性はアートとは言いにくいのかもしれません。

『13歳からのアート思考』に、とても印象的な作品の写真と説明が書かれていました。ジャクソン・ポロックの『ナンバー1A』です。この絵は無造作にペイントされ一見して「これがアート…?」とキョトンとしてしまうくらい不思議な作品です。カメラが出現したことにより、アートにしかできないこととは?という自らに問いかけ、その答えがこの作品を作り上げました。『ナンバー1A』によって、絵を物質として捉えるのではなく、絵そのものに意識を向けさせることに成功したというのです。

ただ、これも注意が必要です。今上記に書いたことはあくまでも著者である末永さんの解釈だということです。本の中で末永さん自身も何度も書いていますが、自分なりの解釈であっても正解はないのです。

また、アートであるアートではないの線引きってなのでしょうか。これも時代の中で多くのアーティストが試みています。

デュシャンの『泉』は、便器にサインを書いただけのもの。
アンディー・ウォーホルの『ブリロボックス』は食器洗いパッドの外箱パッケージをそっくりそのまま木の板に描いただけ。

カップ・ヌードルのパッケージもアートなのかもしれない。
ニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art、MoMA)では、ビデオゲームのパックマンが展示されました。

もはやアートという城壁はないということのようです。だからこそ「自分なりの見方」で「自分なりの答え」を見つけるということが大切なんですね。

本の目次

  • PROLOGUE 「あたなだけのカエル」見つけ方
  • ORIENTATION アート思考ってなんだろう――アートという植物
  • CLASS1 「すばらしい作品」ってどんなもの?――アート思考の幕開け
  • CLASS2 「リアルさ」ってなんだ?――目に見える世界の”ウソ”
  • CLASS3 アート作品の「見方」とは?――想像力をかき立てるもの
  • CLASS4 アートの「常識」ってどんなもの?――「視覚」から「思考」へ
  • CLASS5 私たちの目には「なに」が見えている?――「窓」から「床」へ
  • CLASS6 アートってなんだ?――アート思考の極致
  • EPILOGUE 「愛すること」がある人のアート思考

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