『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』は身につまされるというか耳が痛いというか、自分のイケてなさを痛感して悲しくなるくらい内省が多くなる本。かなお薦めできる一冊。
よく傾聴が大事と言われます。が、その傾聴の難しさや、なぜできないのかがよく分かります。目次だけでも味わい深い…
「人の話を聞く」とき、多くの場合は話し手が喋っていてそれを聞いているとき、自分の頭のなかでは「次に何を言おうか」と考えていたり、気が散って別のことを考えていたりして寄り道をしている。(話のなかに出てきたワードから連想されることだったり、友人との約束が頭をよぎったり、夕飯何を食べようとか考えているかもしれません)
また、会話のつもりでついつい「なんで?」という質問をしてしまう。「なぜ」は相手を責めている尋問になりかねません。ほかにも相手を知るという名目で「出身は?」「趣味は?」などと質問をして相手を品定めしている。相手のことを受け入れようとしているというよりは、自分が知りたいだけの質問になっているわけです。
『スマホ脳』でもありましたが、スマホが手元にあるだけで気が散るし、相手も本気で向き合ってくれてないと感じるかもしれません。
では、「よく聴く」とはどういうことなのか?という話になりますね。
仲のいい夫婦(老夫婦になるほどいいかもしれない)を想像してみてください。よく仲のいい夫婦は似ていくというけど、この本を読むと、なるほど理にかなっていると感じます。
「聴く」ことができている状態と言うのは、相手が話したことに対してまず受けとめることができ、自分の感情は置いておいて相手の感情に寄り添うということ。なんでこう考えたんだろうか、と興味を持つこと。相手の目線を手に入れることで、脳波同調が起こり、互いが似てくるという。
わたし、instagramでbonpon511さんというお洒落な夫婦をフォローしてるのですが、こんな感じでしょうか(見た目で寄せってってるのか…?)。
相互の関係だけではなく、チームもそういう感じでできていくんだろうなと思います。
あと、なるほどと思ったのは、「沈黙を恐れない」という点。
つい間が空いてしまう無言の状態になってしまうのが怖く、何か言わなければと思って考えてしまう。そうなると相手の言葉を咀嚼せずに返すことになるので、相手のことを本当に知ることはできなくなってしまう。
聞くことに集中、相手の感情に寄り添うということを考えて会話することを意識していきたいと思います。ただ本にも書いてありましたが、「聴く」のは集中力がいるので、限界がきそうであれば自分でブレーキをかけるなどのコントロールも必要だとのこと。
本の概要と要約
著者の課題
誰かが自分の言葉に注意を向けてくれ、本当にわかってもらえた、と感じたのはいつ?文化として聴く力が失われつつある現状がある。
解決方法
聴くことの多くはあなたがどう反応するかにかかっている。本書は聴くスキルを伸ばすための指南書。
内容
・私たちはきちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
-ヒアリングは「聞こえる」で受動的
-リスニングは「聴く」で能動的
・なぜ話が聞けないのか
-多くの人が聞いてるフリをしている
-意見でさえぎる
-相手が話をしているときに「次になんて言おう」と考えている
-無意識にレッテルを貼っている
-スマホに気が言ってしまう
・質問して品定め
-どこ出身?などの質問は値踏みの質問
-自分が優位に立ちたいから聞いている
・能動的に聞くことに意識を集中させ、脳みそをフル稼働させて入ってくる情報すべてを処理し、そこから意味を見出す
-受けとめる
-沈黙の間を恐れない
-何よりも話し手への好奇心が重要
-「なぜ」という質問は避ける。身構えてしまう
-相手の話を聞くと脳は同調が起こる
-話を聞けば聞くほどお互いが似てくる
-仲良くなるにはまず日常会話
-生産性の高いチームは全員の発言量がだいたい同じくらい
・出会った日と同じ人なんていない
・聴くことは学ぶこと
・会話は互いの協力で成り立つ
『LISTEN』とは?
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』の原題は、”You’re Not Listening :WHAT ARE YOU’RE MISSING AND WHY IT MATTERS”です。ずばり「あなたは聞いていない」とハッとする問題提起…。投げかけられる最初の質問は、「最後に誰かの話に耳を傾けたのはいつですか?」そして「誰かがあなたの話を本気で聞いてくれたのはいつですか?」
数多くのインタビューを行い、ニューヨークタイムズにも寄稿するジャーナリスト、 ケイト・マーフィが、ときにユーモラスに「私たちが聞いていない」理由、そして聞いているつもりでいるときにに私たちにが何をしているのかを解説したのが、『LISTEN』です。
著者:ケイト・マーフィとは?
ヒューストンを拠点に活動するジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、エコノミスト、AFP通信、テキサス・マンスリーなどで活躍。健康、テクノロジー、科学、デザイン、アート、航空、ビジネス、金融、ファッション、グルメ、旅行、不動産など、多岐にわたるトピックを執筆。特に人間関係や、人がなぜそのように行動するのかを、科学的にわかりやすく解説することに定評がある。
本の解説と感想
私たちはきちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
さみしい。誰か話しかけてくれないか?
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』p43
これは2004年にあるチャットルームで投稿されたものだそうです。当時インターネットが浸透してきた時代における心の叫びは、たくさんの返信がつき、メディアにも取り上げられたそうです。「話を聞いてほしい」のではなく、「話しかけてほしい」というところに、誰につながり求めているような印象を受けます。
現代は、世界中がデジタルとネットワークを通して繋がっているにも関わらず、孤独を感じる若い人(特にZ世代)が増えているそうです。以前は、家の玄関の軒先のポーチに腰を下ろしたり、キャンプファイヤーを囲って、お互いの声に耳を傾けたものが、今や近況報告はSNS。直接会ってもスマホの写真を見せ合ったり、何か意見が違えばgoogle検索が仲裁役を果たしてくれます。とても忙しくみえます。
しかし、昨今はビジネスでも「傾聴」が大事とされ訓練させられることも多いはずなのに、聞いてもらえない、孤独だ、と感じるのはなぜなのでしょう。聞き手や話し手が話をしているときに、話に集中できていない理由をいくつかピックアップしてみます。
さえぎる
話し手が話している途中で、つい自分の意見をかぶせるように遮ってしまうことがあります。これは聞き手が、話し手の話聞かず、自分の意見を発信していることに他なりません。結局、話し手が本当に話したかったことが言えないままになることもあります。
別のことを考えている
人間は会話をするよりも、頭で考える思考のほうが速いので、誰かとの会話の途中でつい別のことを考えてしまいます。
例えば、相手の話が終わったら「次に何を話そう」と考えてしまうがために、相手の話が完全には入ってこず、入ってきた情報の処理も、「次に話すこと」に使っているので、結果的によく聞いていない状態になっています。
レッテルを貼っている
この人はこういう人だから…というバイアスがかかった状態でいると、重要な情報を聞き洩らしてしまうかもしれません。本書の中にこんな言葉がありました。
「出会った日とずっと同じ人間」なんていない
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 p120
思い込みで人の話を聞いていると、その人の話を枠組みの中に入れ込もうとしてしまいます。
例えば、職場を思い出してみましょう。新卒で入社したAさん。最初の1年間は慣れないところや甘い考えもあり失敗も多くあったかもしれません。上司だったあなたが異動によって話をする機会がぐっと減っていくと、いつまでも1年目のころのAさんとして見てしまうかもしれません。Aさんの立場からすれば数年で熟達する部分も多いはず。考え方も変わって後輩をきびきびと指導するくらいに変化しているとしたら、レッテルほどお互いの理解にとって障害になることはないでしょう。
スマホに気がいく
これは「別のことを考えている」にもつながるものですが、スマホが手元にあると、何か通知が来てないかとか気が散ってしまいますし、スマホを手に持ってしまったら話し手も「この人は本当に自分の話を聞いているだろうか」と不満を持つことは間違いないでしょう。
話をさえぎられたり、スマホが手元にあったり、「要するに?」など急かされないような状態になって、話し手はようやくじっくりと話をすることができるのです。
よく聴くためにはどうすればいいか
聴くという行為には、何よりも好奇心が必要
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 p100
本書の文中の漢字表記「聞く」と「聴く」の使い分けはちょっとわからなかったのですが、「LISTEN」とはどういうことなのかというと、能動的に聴くということです。
「ヒアリング(聞こえること)」と「リスニング(聴くこと)」が対比されています。ヒアリングはあくまで受動的。リスニングは能動的だとしていて、聞くことに意識を集中させ脳みそをフル稼働させて入ってくる情報すべてを処理しそこから意味を引き出すこと、と表現されています。
つまりは聞き流すのではなく、ちゃんと聞いて自分のなかで相手の話を咀嚼するというプロセスを経るということですね。ではよく聴くためにはどうすればいいのでしょうか。
好奇心を持つ
能動的に聴くためには、なによりも好奇心までが大切です。好奇心を持つということは相手に関心を持つということです。
カーネギーの『人を動かす』には、「自分に関心を持ってもらおうと過ごす2年間よりも、他の人に関心を持って過ごす2ヶ月間の方が、多くの友人をつくることができる」と書いてあります。
ただし、相手を知ろうと質問をすることには注意が必要です。相手を値踏みするようなプライベートな質問を浴びせるのは尋問です。相手を知ろうというのではなく品定めしようとしています。質問は好奇心から出なくてはダメです。
あなたに関心を持っていますということを相手に伝える方法は、『問いかける技術』に詳しいです。まさに品定めの質問(診断的な問いかけ)はよくなくて、謙虚な問いかけを心がけをしようと説いています。
沈黙を恐れない
私たちは、会話をしているときの沈黙が苦手でなんとかその間をつなげようとしてしまいます。なので相手の話を聞いている途中で「次に何を話そう」という頭になってしまって、相手の話に集中できなくなります。沈黙というのは悪いことではなく、むしろ相手の話をよく聞いていることになります。沈黙をさえぎってしまうと、もしかしたら話し手が考えを整理している途中だったものにフタをしてしまうこともあるかもしれません。沈黙や間は、より多くの情報を引き出すことができます。
沈黙してもいいと構えながら、最後まで相手の話に耳を傾けることが大切です。
自分の感情を置いておく
よく聴くことができない理由と、よく聴くための心得を整理すれば、すなわち「会話には我慢が必要」ということです。人は、自分のことを話したいし、自分の考えと異なると反論したくなるし、間が苦手です。これらを克服するには、自分の感情をひとまず置いて受け容れることです。
誰かの話を本気で聞くとはいったいどういう意味なのか
親しい友達や家族などの話を聞けば聞くほど、そして相手があなたの話を聞けば聞くほど、お互いの考えは似てきます
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』p74
相手の話を聴くということは、単純に言葉だけではなく、表情や仕草、声色など、文字情報以外からの情報も処理するということです。つまりは相手がどんな感情で話をしてくるのかまでを受け止めるということです。
仲のいい夫婦、よくお互いの話に耳を傾ける人たちが似てくるのは、こうした状態になるからといえるでしょう。中高生時代にも仲がいいグループが、さらに仲がよくなって同じような習慣や思考になっていくのも同じでしょうか。
噂話の社会学
メインではない気がしますが、「噂話」のトピックは面白かったので取り上げてみます。噂話と言うとネガティブなきがしますが、実はポジティブな社会的機能があるというのです。
噂話をするという行為によって、私たちは次のような判断をしています。
信頼できるのは誰か、誰を見習いたいか、物事が許される限界はどこか、誰が味方で誰が味方になりえるのか、私たちは噂話をして判断している
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』p411
その噂話を聞いて、どう反応するかでその人が分かるし、何らか身に覚えがあれば改心するかもしれません。集団の結束や学習機能として効率的な仕組みが噂話なのです。また噂話は基本的には、誰かの失敗や規範から外れた内容が語られるものです。誰かに「噂話をされる」ということはその時点である一定の信頼関係があるとも言えます。
一方で注意したいのは、噂話と誰かがうちうちで教えてくれたことを混同して、勝手に話をしてしまうことです。後者は信頼を裏切る行為であり、そのような行為をしてしまえば、誰も本当のことをあなたに伝えたくなくなってしまいます。
まとめ
なんだか、とりとめのないまとめ方になってしまった感じがありますが、本書は同じような内容が別の角度から何度も語られます。繰り返し同じようなことを言われている気もするので、要点が頭に入りやすいのかなと思います。
この本を読んでから、会話に注意するようになりましたが、まだあまり上手くは運べていない気がします。なんとなくですが、「よく聴くモード」と「自己主張モード」を使い分けてもいいのかなと思ったりします。何もかもを全部受け止めて咀嚼してからだと、本当にその場で求められていることが実現できるのか疑問であったりします。とはいえ、まず聞くということで、話し手から新たな視点をもらえるなという実感はあるため、『LISTEN』の内容を活用したいと思います。
本の目次
- chapter1「聞くこと」は忘れられている
- 「誰とでも話ができる」は「誰の話でも聞ける」ということ
- 「要点を早く言わない人」は、悪い人か
- 「話を聞かれない」と孤独になる
- 誰かと一緒にいても、人は孤独を感じる
- 「聞きなさい」と言われる話は「会話」ではない
- 「聞く」職業の人でも、本当は聞いていない
- 「暮らす人」の声に耳をふさいだ政治家が分断を生んだ
- SNSは、社会全体を反映してはいない
- 「SNSにコメントを書く人」は、実はわずか
- 「自分の話なんて他人には迷惑」だと思う人は多い
- 携帯電話を見るのは、退屈で面倒な他人の話を聞かなくてすむから
- 「話を聞く」とは相手のおしゃべりを待つことだと思っている人が多い
- chapter2私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
- 誰かの話を本気で聞くとはどういうことか
- まわりの人に無関心な方が、よほどリスクが高い
- 「聴く」ことは、自分自身への理解を深めてくれる
- 聞くことで他人の才能も共有できる
- 相手の話を聞けば聞くほど、お互いが似てくる
- ふたりで議論を重ねると、ひとりではできない発見ができる
- 親に聞かれたかどうかがその後の生きやすさに影響を与える
- ほとんどの人が、安定型と不安定型のはざまにいる
- 生い立ちに人生を左右される必要はない
- 観察ができれば、空気が変わる
- 孤独を感じるのは「よい事が起こった」のに、誰にも注意を払ってもらえないとき
- 「赤ちゃんの泣き声がうるさいの」という母親には何と聞くのが正解?
- 出発点は「他の人の声に耳を傾けること」
- chapter3聞くことが人生をおもしろくし、自分自身も面白い人物にする
- どんなに情報がない人物でも、話を聞けばだいたいわかる
- 道を誤る瀬戸際にいる人のことが理解できるようになる
- CIAが採用するのは、聞く力が優れている人
- うなずいたり、おうむ返しは「聴くこと」ではない
- 自分の話に耳を傾ける人がいると、外の世界に安心して出ていける
- 他人に関心を持って過ごす人は、多くの友人ができる
- 好奇心があるということは、思い込みがないこと
- 見知らぬ人よりも、「知っている嫌な人」に話しかけてしまう理由
- 人の話を聞かないのは、何も起こらないつまらない人生
- 正しい情報得たいなら、尋問よりも「きちんと聞く」方が効く
- ただの質問と、好奇心を持っての質問は違う
- chapter4親しい人との仲もレッテルからも「聞くこと」が守ってくれる
- 夫婦仲が悪くなったのは「相手が何を言うか分かっているから」という思い込み
- 親密であればあるほど、相手の誤解が多い
- 「出会った日とずっと同じ人間」なんていない」
- 友情を維持する第一の方法は、「日常的な会話」
- 深く話を聴いたことがある人とは、久しぶりに会っても昨日のように戻れる
- 第三者がいるだけで会話の質が変わる
- 半分以上の人は、「心配事を仲のいい人には話さない」
- 自分自身にさえ、打ち明けるのも恐ろしい思い出もある
- 相手を嫌いになるのは、理解してもらえるという期待が裏切られたとき
- 親しくない相手の話を聞くときには先に分類してしまっている
- みんな、「自分には先入観がない」と思いがち
- 私たちは、話すよりも前に「シグナリング」で判断している
- 「シグナリング」だけでは、人の本質はわからない
- 親しい人との仲も、知らない人への誤解も、「聴くこと」が守ってくれる
- chapter5「空気が読めない」とはそもそも何が起こっているのか
- 友人が「クビになった」と言ってきたら、何と声をかけますか?
- 「よい聞き手」とは、話し手と同じ感情になってきてる人
- 相手が自分でも分かっていないことを引き出すのが聞き上手
- 「相手がなぜそれをあなたに言ったのか」をくむこと=共感
- 「事実」の奥には、必ず感情がある
- 人質交渉のポイントは「犯人に共感すること」
- 大量殺人犯の共通点は、「誰も話を聞いてくれなかった」こと
- 初対面の相手でも、身の上話が聞き出せる
- 自分の話だけする人は、チャンスを逃してしまう
- 相手の視点を受け入れることは、人間の器を大きくする
- chapter6「会話」には我慢という技術がいる
- うわのそらになるのは、「思考」が話よりも速いから
- 内向的な人が聞き上手だと言うのは間違い
- 優れた聞き手は、余っている処理能力を頭の中での寄り道に使わない
- 一番会話を邪魔するのは「自分は次に何を話そうか」という心配
- 「次に何を言おう」と考えている方がかえって不適切な返答する
- 「うまい言葉」が、信頼関係に必要なわけではない
- 自分の考えを忘れて相手の話を聴いたほうが結局面白い会話になる
- 話が正しく聞けないのは、「不安やうわべの判断」にとらわれているから
- 「頭の中の寄り道」を我慢すれば会話はものすごく面白くなる
- 嫌なやつに対しても、「きちんと聴こう」とすれば、不快感は減る
- chapter7反対意見を聞くことは「相手の言うことを聞かなければならない」ことではない
- 質問は、「好奇心」からでなくてはいけない
- 反対意見を聞くことは、人間にとっては生理的に「脅威」を感じること
- 解決をしたいなら、相手の意見を聞くしかない
- ソーシャルメディアは誰にも邪魔されずに自分だけの現実をつくり出せる
- 自分が支持しないグループには「恐怖」すら抱いている
- 効果的な反対意見は、相手を理解してのみ可能
- 「自分が間違っているかもしれない」という可能性を考えながら聞く
- 「偏桃体」の活動量が多い人は、不安症やうつになりやすい
- 「原始的な偏桃体の反応」があることを知っておく
- 人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けること
- 優れた聞き手は、相容れない考えに耐えられる
- グレーゾーンに耐えられる人は、アイデアを思いついたり、判断をするのが得意
- chapter8ビッグヒットは消費者の声を「聴く」ことから生まれる
- アンケートの精度を上げるのも聞く力
- 消費者の無意識の意見を探り当てる「フォーカス・グループ・インタビュー」
- フォーカス・グループよりも、データを集める方が早くて安い
- フォーカス・グループにはお金がかかるが、効果は高い
- 各モデレーターは何を聞いているのか
- 聞き上手は「なぜ?」という質問を使わない
- 消費者の気持ちがわかったことで、ヒット商品が生まれた
- 人の感情や習慣はデータを超えてくる
- 人が創造できるのは「聴く」から
- そのデータがどういう意味を持つのかを分かっていないと結局意味がない
- うまく聞ければ、自分ひとりでは絶対に見られなかったものが見られる
- chapter9チームワークは、話をコントロールしたいという思いを手放したところに行ってくる
- もっとも生産性の高いチームは、全員の発現量が同じくらい
- 「心理的安全性」は、話を聞くことから始まる
- 会社員は、1日のうち約8割の時間をほかの社員とのコミュニケーションに費やしている
- 即興劇が上手な人は、聞くことが上手
- チームとしての能力を高めるための「即興劇」研修
- 「注目を浴びたがる人」が聞くようになるまで
- 目立ちたい人は、自分が「十分ではない」ことをカバーするために自己顕示する
- 自分の空間の雰囲気は、自分でつくれる
- 自分を見せたいという欲求のせいで、他の可能性をなくしている
- 話をコントロールしようとすると、逆に進まない
- つまらないギャグを言う人は、たいてい人の話を聞いていない
- 相手と繋がっているという感覚をいちばん実感できるのが「笑い」
- chapter10話にだまされる人、だまされない人
- 全員が同じように話を聞いているわけではない
- 会話の感受性が高い人は、隠された意味に気づける
- それぞれの視点から聞いた話をまとめたら最高の作品ができる
- その人の「プライベートな部分」に人はいちばん共感する
- 「通りいっぺんの話題」が聞いていていちばんつまらない
- 「事前にその人について調べる」「たくさん質問をする」と人は積極的に話したくなる
- 優れた聞き手になるには「自分の弱さを理解する」
- 「自分」が何を気にしているか知っていることはよく聞ける耳を持つようなもの
- 先に相手に話させて、会話を操ったジョンソン元大統領
- 「自分の聞きたいようにしか聞かない」人はだまされやすい
- 優れた聞き手は、だますのもだまされているのを察知するのも上手
- つじつまが合わない会話をそのままにしておくことがだまされる原因
- 会話でわからなかったところをきちんと確認すればチャンスを見逃さない
- chapter11他人とする会話は、自分の内なる声に影響する
- 自分を批判する「内なる声」
- 「ひとりごと」は自分の中にいる他者の声
- ネグレクトされた子供はひとりごとが少ない
- あなたのひとりごとは、自分を責めがち?
- 他人を責めがち?
- 内なる声は、リアルの自分に大きな影響を与える
- 読書も、内なる声を作る
- 内なる声は、あなたがどう現実に対応するかに大きな影響を与える
- 多くの人が、自分に批判的な内なる声を持っている
- 他人とする会話は、全て自分の内なる声に影響している
- chapter12「アドバイスをしよう」と思って聞くと失敗する
- 聞き上手は、人を惹きつける
- 下手な聞き手は「ずらす対応」を優れた聞き手は「受けとめる対応」をしている
- 「ずらす対応」は人とつながるチャンスを逃す
- 「自分はすごい」と見られたいだけの質問に気をつけよう
- 話に素直に耳を傾けるには、冒険心が入る
- 女性の方が、親身になって話を聞ける人が多い
- ネガティブな反応はポジティブな反応の5倍の強さで感じられる
- 「アドバイス」をしだす人は、きちんと相手の話を聞いていない
- 相手の状況を「感じとる」のが深く聞くこと
- シンプルな質問は、本人も気づいていない答えを浮かびあがらせる
- いい質問のウラには「救ってあげよう」「助言してあげよう」がない
- 自分の感情をひとまず置いて、先に相手の話を聞いてみよう
- 耳を傾けると、相手の問題解決の能力も上がる
- 日常で、家族に耳を傾けることは難しい
- 「広い質問」をすると、恋に落ちる?
- その人が変わっていく過程に耳を傾ける以上の愛があるでしょうか?
- 聴くことは、名作も生む
- chapter13騒音は孤独のはじまり
- 雑音の中から、聞きたい音が聞けるのはどうして?
- 話のニュアンスも、脳は聞き取れる
- 脳は、音のニュアンスも含めて話を判断している
- 同じことだけ聞いていると現実の捉え方が偏ってくる
- 右耳は言葉を聞き取り、左耳は感情を聞き取る
- あなたはどちらの耳を良く使っていますか?
- 音は、空気の圧縮を受け取って聞こえる
- 耳の神経は、体のどこの部位よりも多い
- 騒音は、音を聞き取る神経に傷をつける
- 難聴にならないために、騒音に気をつける
- 聞こえないときに、脳が勝手に補うから聞き間違いが起こる
- 難聴は孤独をうむ
- しゃべっている様子も含めないときちんと話を聞いたことにならない
- 本音はだいたい伝わる
- 経験さえあれば、細かな表情はどんな人でも読みとれる
- 話すときの情報はとても多い
- しっかりと聞くために、この話は対面にするかそうではないか選ぶのもいい
- 電話は、技術的に「ギリギリ話ができる程度」でつくられている
- chapter14スマートフォンに依存させればさせるほど、企業は儲かる
- 携帯電話を見ている間に「何かを見出す時間」を失っている
- スマートフォンの待ち時間が3秒以上かかるとイライラする
- 人々が注意力散漫であればあるほど、企業はお金になる
- 「速く聞く」と声のニュアンスも失われる
- 携帯電話があるだけでそのテーブルには親近感が生まれない
- 音が流れていると衝動買いをしやすくなる
- マルチタスクは幻想
- 家族の食事の時間があっても好奇心がある会話がないと意味がない
- 「聴くこと」は、最高の友情でもある
- 子供のころに話を聞いてもらった経験は人生に大きな影響を与える
- chapter15「間」をいとわない人は、より多くの情報を引き出す
- 売上ナンバーワンの営業マンは、何をやっているのか?
- お客さんに話してもらった方が、早いし楽な上、間違いも減る
- ほとんどの話には間がない
- 0.5秒以上の沈黙があると、人はそれを不満や罰だと解釈する
- すぐ返事がもらえないと、人は動揺する
- 自分が話さなかったからこそ、価値のあることが聞ける
- ほとんどの宗教が「沈黙」を大事にしている
- 交渉は、よく聞いていないと間違いなく失敗する
- 24時間だけでも離さないことに耐えられればより優れた利き手になれる
- chapter16人間関係を破綻させるもっとも多い原因は相手の話を聞かないこと
- うわさ話は私たちを会社の良い一員にする
- 「悪いうわさ」を聞くと、自己肯定感があがる
- うわさは、その集団にとってよくない人を罰したいときに生まれる
- 複雑すぎる人間関係を把握するのにはうわさが最適
- うわさは集団が学習するための効率的なしくみ
- SNS ははやく大量にうわさを見られる
- うわさを聞けるあなたには、すでに信頼がある
- 「他者」に耳を傾けることは私たちが同じ人間であると実感すること
- 個人主義は、安心感を失わせる
- お互いの話を聞かないと、達成できることが減る
- 人生の大切なときに「耳を傾けなかった」ことを後悔するかもしれない
- 聞き逃したと気づいたときには、たいてい手遅れ
- もっとも多いネグレクトは、相手の話を聞かないこと
- chapter17だれの話を「聴く」かは自分で決められる
- 心からの笑いとつくり笑いの違い
- 話は、お互いの協力で成り立つもの
- 話すときは、相手に「期待して」いる
- いちばんイライラするのは、期待通りの会話をしない人
- 誰もが、同じ関心や理解力を持っているわけではない
- 「最高の会話」では、どちらが話していても、ふたりが互いに熱心に耳を傾けている
- なぜあの人は、婚活でも自分の話だけしてしまうのか
- 相手に「自分についてこう感じてほしい」と説得するのは意味がない
- 聞く時間が長いと疲れる
- 優れた聞き手は、自分の限界を知り、無理をしない
- その人の話を聴くと苦しくなる人は有害な人
- 「聴く」過程が、人を親密にさせる
- 聞いたことの記録をつけると、自分がどういう人間かもわかってくる
- 相手の言葉をじっくり考えることは自分の心にその人を招き入れること
- 現代人は、聞かれることに罪悪感を覚える
- 打ち明け話をしてしまうと、人は動揺する
- 話を聞ける間柄でいたいなら勝手に人の話を暴露しない
- しかし「聴く」ことは自分の狭い視野を広くする
- 「聞かない」なら、相手を傷つけると知った上で選択する
- あなたが話を聞けない人は、どんな人だろうか
- chapter18「聴くこと」は学ぶこと
- 満員の教会の告解室
- 一度弱みを見せることを経験した人は相手を尊重できる
- 努力すれば「聴くこと」は上手になる
- 話を聴かないことは、変わりゆく世界に踏み出す、自分に閉じこもること
- 誰かの話を聴くのは尊敬の証
- 優れた聞き手は、愚かな人を見分ける