2019年頃でしょうか。書店に行くと平積みされているのをよく見るようになったのが、『三体』という本。書店のPOPでも盛り上げていたり、煽り文句も「これまでのSFを覆す」だとか、「中国発SF小説」で「史上最大のヒット」だとか、そんなような言葉が躍っていたような気がします。
私の場合、ご用達してるAmazon書店ではビジネス書ばかりレコメンドされちゃうので、本屋に行かないと絶対に気が付かなかったですね。意識し始めたらよく気が付くようになるという現象をカラーバス効果といういうらしいのですが、それ以来、SNSでも誰かがシェアしているの見かけるようになり、話題なんだなー、面白いんだなー、とは認識していました。
が、そのころはすっかり小説から離れてしまっていて、手に取らずに来てしまいました。ということで2020年の誕生日に企画した「Amazonほしい物リストのおねだり企画」で、リストに入れたところ、贈ってくださった方がいたので、ようやく読む態勢が整い、晴れて『三体』デビュー。
『三体』は、中国発のSF小説で、世界で2000万部以上売れてた久々に爆発的ヒットしたSF小説のようです。2000万部すごっ。単純計算で400億円くらい売り上げてるわけですね。すぐ金勘定しちゃうのはよくないですね。。
ちなみに、ハリーポッターはシリーズ累計で4億5000万部(※参考※「ハリー・ポッター」誕生20年、数字で見る魔法の世界_AFPBB)とのこと。日本は上下巻にするという商魂たくましい売り方でしたが、シリーズ7タイトルとして割ると1タイトル6428万部。三体は3部作らしいので、世界で25000万部としたら、1タイトル833万部くらいでしょうか。まあ「ハリー・ポッター」もはや不変のファンタジー児童書(?)なので、これからも継続的に伸ばしていくんでしょうし、当時はターゲット層も映画ファンまでと幅広かったので比較対象としてはふさわしくないとは思うものの、それにしても大ヒットしているわけです。こう考えると、世界でヒットさせるコンテンツというのは、英語か中国発のコンテンツになるという気しかしませんね。経済的にも豊かになる絶対数が増えてきている中国の人口は圧倒的です。
調べてみると、オバマ元大統領も『三体』のファンらしい。
オバマ大統領は「三体」第三部(英訳)の発売が待ちきれず、劉慈欣氏に何度もメールしたが、劉氏はまさかホワイトハウス(White House)からメールが来るとは思わず、最初の二通のメールはスパムメールとしてゴミ箱に入れていた。結局、中国の外交部に頼んで劉氏と連絡をとってもらい、出版前の原稿を出版社からわざわざ取り寄せて読んだという
「韓国で売れなかった中国SF『三体』、日本での大ヒットが中国で話題に」2019年10月11日 21:00
オバマ元大統領、それはさすがに職権乱用なんじゃないでしょうか。
個人的にSFというのは、特にSF映画については見ておくべきものだという認識を、最近強めています。
SF=”science fiction”(サイエンス・フィクション)、科学小説、つまり何らかの原理原則に基づいて描かれる空想世界の物語であり、今存在する世界の常識外で語られるので、未来予測にもなったり、現在の世界の課題を浮き彫りにしたりするものでもあるのかなと思っています。
荒唐無稽なもの、本当にそうなるかもしれないと思わせるもの、もうすぐ開発できそうなんじゃないかというものなど、幅は広いです。『1984』や『マトリックス』のような世界って『ホモ・デウス』でも改めて示唆されているし、『マイノリティ・リポート』とかVR世界。『ブレードランナー』なんかは、はるか先の地球を想像するとこういう世界になるんじゃない?というものですよね。わたしは日本は人口が少なくなると『ブレードランナー』のメガシティのようになっていくんじゃないかと思ってたりします。安宅さんは『シン・ニホン』で地方が荒れ地になってしまうことを憂いて風の谷という構想を語られていますが…
という感じで期待値はどんどん高くなり、読んでどうなるか心配だったのですが、一言、面白い!
が、とにかく読みにくい。
なぜかというと、人名が中国語でルビが中国語の発音だから…
キーパーソンである「葉文潔」はイエ・ウェンジエ。
ほぼほぼ主人公な「汪淼」はワンミャオ。
ワンミャオは登場回数が多いので覚えましたが、もうほかの主要人物ですらダメっす。後半はほぼ記号として認識してました。そのあたり、早川書房さんもお分かりだったのでしょう。ピンク色の登場時人物リストの紙が1枚あって、大助かりです。
たぶん、この投稿を読んでいる人も、「名前の読み方、わかんねーよ」と、ちょっとイラつくはず。
小説なので内容に触れるのはどうかと思ったので、まとめもキーワードとキーフレーズを選びました。
この本の世界では「科学が根底から否定される」というのが、大きなポイント。基礎科学の研究実験で同じ実験をしているのに、すべて違う結果になる。これによって何が起こるのか。なぜそのような事態になっているのか。最後の4章ですべての点が帰着します。
AmazonのオーディオかなんかのCMでもありますが、「あなたがたに警告します。応答するな!」にはかなり複雑な意味が込められていたのが分かります。
誰が誰に向かって、なぜそう発信したのか。受け手がどう思ったのか。詰まってますね、三体の世界が。
すでに第二部が発売しているそうなので、間違いなく読みますね。
本の概要
三体とは
すでに述べましたが、『三体』中国のSF小説です。著者は劉慈欣。あとがきを読むと2019年時点で、中国で2100万部を発行しているとのこと。この小説の名前の由来は物理学の「三体問題」からとられています。
2006年5月から中国のSF雑誌『科幻世界』で連載が始まり、同年12月まで連載されたました。単行本としては、2008年1月に出版。『三体』は、劉慈欣が描く「地球往事」三部作の第一作目にあたります。
ちなみに三体問題とは「互いに重力相互作用する三質点系の運動がどのようなものかを問う問題」で、この運行のモデルは一般会ではまだ求められていないそうです。
●三体問題についてわかりやすい説明はこちら
ニュートンの三体問題の説明(TED)
また、物語の中でVRゲーム「三体」というものが出てきて、謎を解くカギになります。
あらすじ
これがAmazonオーディブルのCMで、流れてくるセリフです。これは結構後半で、このメッセージの背景は驚きのもの。
さて、あらすじ。
あとで少し触れますが、過去と現在の物語、そしてVRゲーム三体の世界が交差して物語が進みます。
文化大革命によって、資本主義や原理原則が否定されるシーンから始まります。そのころ、紅岸基地という秘密裏に運営される、宇宙に対して発信あるいは受信をする施設があり、文革により父を亡くした葉文潔が働いていた。
時代は流れ、紅岸基地の存在が噂話になっていた現代、科学界に奇妙な出来事が起こり始めていました。科学境界という組織に関わる学者が次々に自殺するという事案。原因を解明しようとする警察に協力を要請された汪淼(ワン・ミャオ)は、自分にしか見えない「数字(ゴーストカウントダウン)」を経験することで原因究明に動き出し、やがてVRゲーム三体と出会うことで今この地球で起こっている事実に近づいていく。
本の解説と感想
『三体』の時系列
『三体』は大きく2つの時代が交錯して描かれています。時系列は、「過去」と「現在」です。
過去の主人公が、葉文潔(イエ・ウェンジェ)。ここでは葉文潔が、父親との悲劇的な別れから紅岸基地というところで研究者として働く姿が描かれます。現在にいたる葉文潔の思想形成と取り返しのつかない行動が明らかになります。
現在の主人公が、汪淼(ワン・ミャオ)。科学者の世界と自身に起こる不可思議な現象と、VRゲーム三体の謎を解こうと奔走する姿が描かれます。
この二つの物語が結びついた先に「三体」の謎が解明されます。
中国語版と日本語版順番とでは章の順番が異なる
『三体』の冒頭では、中国で現実に起こった「文化大革命」で、『三体』で登場する重要人物・葉文潔(イエ・ウェンジェ)の父親である、葉哲泰(イエ・ジョータイ)という人物の悲劇がドラマチックに描かれています。
日本語版で読んでいると、この始まりの物語はよくあるパターンなので、すっと読み手に入ってきて、これが物語にとって重要な「きっかけ」なんだなというのが認識できるようになっています。
ところがです。
『三体』を読み終わった後、訳者あとがきでこのようなことが書かれていました。
二〇〇八年一月に出た『三体』中国語版は、なんと、現代パート(本書第二部の「4 <科学境界>」)から始まっているのである。文革当時を描く過去パート(第一部の「狂乱の時代」「沈黙の春」「紅岸(一)」の三章分)の出だしは。本書一三七ページの真ん中あたりに移されている。
『三体』訳者あとがきp440-p441
続けて理由が以下のように述べられています。
初刊本刊行当時の中国の政治・社会状況に照らして、文革から語り起こすのは得策ではないという判断が下り、苦肉の策として行った改変だったらしい。
『三体』訳者あとがきp441
中国らしいといえばそこまでですが…雑誌で掲載されていたので、初っ端で刺されるともうそこまでになってしまうからですね。行動心理学的なやりくちでしょうか。だんだんと面白くなってきたところに過去の回想として、キーマンの葉文潔の思想を確立させる重要な「文革」のシーンを持ってきたんですね。
さらにこんなことも書かれてました。
かなり印象が変わるはず。エンターテインメントとしてはそちらのほうが読みやすいかも
『三体』p441
早く言ってよ…
文化大革命
文革について語れるほど知識はないので、wikipediaでも読んでいただいて…
本書の「ある表現」によって、いかにとんでもないことだったかが窺い知ることができました。
運良くこの第一段階を切り抜けたとしても、続けざまに浴びせられる残酷な批判によって、対象者の心は次第に無感覚になっていく。最終的な精神崩壊を避けるべく、自分を守るための精神的な殻を作るからだ。
『三体』p12
これは、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』にある、感情の鈍麻を思い出しました。ナチスの強制収容所で家畜のような生活に陥った人が、酷い環境だとしてもそれでも生きていくために、心の装甲をまとうというくだりです。このような状態になるほどに文革というのは、凄まじいものだったのでしょう。
『沈黙の春』という本
葉文潔の過去の回想で、白沐霖(パイ・ムーリン)という兵団の機関誌の記者から譲り受けた本、それが『沈黙の春』という本です。
この本のつぶさな内容は描かれていないのですが、殺虫剤が自然環境に及ぼす悪影響をシンプルに描写した内容らしいのですが、実はこれ後々、重要な伏線なのではないかと思っています。
殺虫剤の使用は、文潔からすればしごくノーマルで正当なもの、少なくとも善悪どちらでもない、中立的なものだった。しかし、大自然という観点に立てば、その行為の邪悪さは文化大革命と何ら変わりがなく、同じように大きな害をこの世界に与えている
『三体』p29
この本は、ノーマルで正当だと考えていた殺虫剤の使用も実は悪だということに、レイチェルカーソンによって気づかされた。つまり、人類のすべての行為は悪であり、悪こそが人類の本質であって、悪だと気づく部分が人によって違うだけなのではないか。
人類がみずから道徳に目覚めることなどありえない(中略)もし人類が道徳に目覚めるとしたら、それは、人類以外の力を借りる必要がある
『三体』p29
ちなみに白沐霖という記者は、『三体』ではこの場面でした記述がありません。二部三部でも出てきそうな雰囲気はなさそう。
紅岸基地(レーダー峰)
文革後、若者は地方の広大な土地の開拓に派遣されるようになります。葉文潔も、いわくつきの存在ではありますが、地方に派遣されます。その地域にランドマーク的に存在していたのが「レーダー峰」。巨大なパラボラアンテナが設置されているためです。
このアンテナが展開される時、おかしな現象が起こります。大雪の時は雨に変わり、動物が情緒不安定になり、人間もめまいや気分が悪くなるというもの。誰かがレーダー峰の敷地に迷い込んでしまったら警告処分を受け、さらにその事案以降、基地周囲に境界ゾーンを設け、人を寄せ付けないような厳戒態勢が敷かれます。重要な施設だということがこのことからも明らかなわけです。
このアンテナが一体どんなことに使われているのかが、『三体』のキーになります。
高エネルギー粒子加速器
現在、わたしたちの生活を支える様々な化学技術は、基礎科学の研究によって成り立っているといっても過言ではありません。高エネルギー粒子加速器は、この基礎科学の解明のために非常に重要な装置です。
物理学、科学というのは、原理を見つけ出す学問です。つまり再現性があるということで、何度やっても同じ結果が得られます。しかし『三体』の現在世界では、物理学界隈で不可解な現象が起こり始めています。同じ条件で同じ実験をすると、まるで違う結果が起こるのです。それは科学の否定にほかなりません。この現実を知ってしまった物理学者たちは次々に自ら命を絶ってしまうという事態にもなっています。
全ての証拠が示す結論をひとつ。これまでも、これからも、物理学は存在しない。この行動が無責任なのはわかっています。でも、他にどうしようもなかった
『三体』p66 楊冬の遺書
ゴースト・カウントダウン
現在の主人公、汪淼(ワン・ミャオ)自身に起こる怪現象です。
ホラー小説にありそうな展開なのですが、自分が撮る写真に謎の数字が映りこむというもの。妻や子供がシャッターを押しても映り込まないのに、自分が撮影したものにだけ映りこむんです。自分が所有しているカメラではなく、近所の人のカメラで撮っても。
汪淼は物理学者です。原理原則の人です。上記のようにあらゆる可能性を検証して真理に近づこうとします。その結果自分が撮る写真にだけ数字が映りこむという結論に至ってしまうのです。
やがてカメラだけではなく、みずからの網膜にも数字が投影されるようになります。このような状態になったらとしたら、あなただったらどう思うでしょうか。
この現象は物語のなかでずっと現れるものではなく、汪淼が自分の研究を停止すると止みます。いったい何が起こっているのかは、最後にわかります。
VRゲーム三体と三体問題
小説『三体』のなかで重要な役割を担っているのが、VRゲーム「三体」です。
『三体』というこの小説のタイトルは前述しましたが、物理学の三体問題にちなんでいます。VRゲーム三体は、「太陽の運行の法則性」を見つけ出すというゲームです(何をすればゲームクリアなのかは解読できてません)。三体というゲーム名の通り、三体問題を解くようなゲームになっており、難易度が非常に高く、一般のゲームユーザーではまず解くことができなくなっています。
この世界では、恒紀と乱紀というものがあり、恒紀は私たちが生活する地球と同じように太陽の運行が安定して気候も安定しています。乱紀は運行が不安定で、太陽が地上に近づき極度に気温が高くなったり(燃えるくらい)、いつまでも太陽が現れず極寒世界になったりします。
VR三体の世界では、何度も何度も文明が繰り返されます。
ちなみにゲームオーバーになるとこんな感じで終わります。
この夜は48年間続き、文明#137は極寒の中で崩壊しました。この文明は、崩壊前に、戦国期にまで到達していました。文明の種子はまだ残っています。それはいつかふたたび発芽し、『三体』の予測不能の世界で育ち始めるでしょう。またのログインをお待ちしています。
『三体』p123
全体的に「三体」という言葉で統一されているのは、もうちょっと読み込まないといけないですが…
そういえばVRゲーム三体で気になってることがあります。ワンミャオがゲームするときはいつもゲーム―オーバーまでずっとやり続けてるのですが、これセーブとかあるのかな…?
二つの陽子
あまり言及してしまうと完全にネタバレになるので深く書きませんが、「二つの陽子」というのが『三体』を紐解くものになっています。あー言いたい。
ある登場人物の言葉ですが、このメッセージが帰着するという感じです。
いま起きているこういうことすべてには、陰で糸を引いてる黒幕がいる。目的はひとつ。科学研究を破壊させることだ
『三体』p151
気になる伏線
あまり読み込めていない気もするのですが、2つほど今後語られるのかなという点を挙げたいと思います。
まず、『沈黙の春』。
これは葉文潔(イエ・ウェンジェ)が若き頃に、白沐霖(パイ・ムーリン)から譲り受けた本。これは、殺虫剤=科学の結果が、自然環境に及ぼす悪影響を煽っているものです。これは『三体』の後半で明らかになる事実に結び付くものだと思うのですが、そのことについては言及されていません。また、作者であるレイチェル・カーソンは、名前が出てきているだけです。今後語られるのでしょうか。
(追記)
と、思ったら『沈黙の春』って、1970年代に実際に出版されている本なのですね。無知ですみません…
次に、VRゲーム三体のユーザーオフ会で、汪淼(ワン・ミャオ)以外のユーザーが汪淼がよりも多くの文明を見てきたというようなセリフがあったところ。プレイヤーそれぞれが違う文明を見てきたということなのだろうけど、そうだとしたら女性警官・徐冰冰(シュー・ビンビン)がワンミャオに対して、「汪教授、先生の名前は『三体』で大評判ですよ」というセリフが発せられるのに繋がらない。とくに意味はないのかな?
まとめ
『三体』は三部作の1作目ということですが、この1作だけでも逸脱した世界とその原因、さらなる脅威というものがそろっており、ずっと熱中して読むことができます。いや、正直後半は物理学っぽい(それすらわからない)話が私にとっては重く、何度も気持ちを切り替えて集中しなければなりませんでしたが、伝えたいメッセージを読み取ると、全体の視界が開け、一気にアドレナリンで溢れます。
いよいよこれからどうなるんだろうか、というのが気になるところなので二部三部と追っかけていきたいと思います。
本の目次
- 第一部 沈黙の春
- 1 狂乱の時代
- 2 沈黙の春
- 3 紅岸(一)
- 第二部 三体
- 4 <科学境界(フロンティア)>四十年後
- 5 科学を殺す
- 6 射撃手と農場主
- 7 三体 周の文王と長い夜
- 8 葉文潔(イエ・ウンジェ)
- 9 宇宙の瞬き
- 10 史強(シー・チアン)
- 11 三体 墨子、烈火
- 12 紅岸(二)
- 13 紅岸(三)
- 14 紅岸(四)
- 15 三体 コペルニクス、宇宙ラグビー、三太陽の日
- 16 三体問題
- 17 三体 ニュートン、ジョン・フォン・ノイマン、始皇帝、三恒星直列
- 18 オフ会
- 19 三体 アインシュタイン、単振り子、大断裂
- 20 遠征
- 第三部 人類の落日
- 21 地球反乱軍
- 22 紅岸(五)
- 23 紅岸(六)
- 24 反乱
- 25 雷志成(レイ・ジーチョン)・楊衛寧(ヤン・ウェイニン)の死
- 26 だれも懺悔しない
- 27 エヴァンズ
- 28 第二紅岸基地
- 29 地球三体(アーストライソリス)運動
- 30 ふたつの陽子
- 31 古筝作戦
- 32 監視員
- 33 智子(ソフォン)
- 34 虫けら
- 35 遺跡